アフターストーリー〜中国地方編〜

〜緊急通知〜

中国・四国地方の全ガンダムファイターに通達

瀬戸内海海上にデーモンガンダム反応出現

調査の結果、県間戦争時代に海底へと沈められた移動要塞『鬼ヶ島』を根城にしている模様

また自己増殖によりデーモンアーミーも数多く生み出されている

諸兄らにはこれらの撃破に当たって欲しい

作戦としては中国側、四国側の両方から挟み撃ちの形で総攻撃を仕掛けるものが最良と考えられる

尚、相手が相手なだけに予想不可能なことが起こる可能性も少なくない

各自、時と場合によっては柔軟な思考で作戦を変更していただきたい

武運を祈る


〜ネオ広島・鯉口組屋敷〜

テツ(メイプル)「フン…悪魔が鬼の古巣に根を張るたぁ笑えん冗談じゃのう…」
お嬢(ネオ広島)「テツ、『鬼ヶ島』持ち出す言うたら冗談では済まされへんよ。だってあれは―――」
テツ「わかっとる…中四国の人間にとって、ありゃあ触れたらいかんモンじゃ。連中に落とし前つけさしたらぁ!」
お嬢「私も鯉口組の戦艦・ニシキからサポートするけんね!気張ってよ!」

スルガ(ギョクロ)「やぁ、二人とも気合入ってるねぇ。ただ、無茶だけはしてくれるなよ?」
テツ「すまんのう、スルガ。中部の出のお前たちを中四国の戦に巻き込んじまうたぁ…」
スルガ「何を言ってるんだい、テツ。デーモンガンダムはネオジャパン自体の脅威…地方なんざ関係ないだろう?」
テツ「ああ、その通りじゃ。それでも協力せん聞かん坊が中国地方にはおるからのう…」
スルガ「イザナミかい? ―――…あいつは一体、今どこで何をしているんだろうねぇ?」
テツ「ガイ・アラシもだ。奴め、やっとこさ探し出して連絡を入れたっちゅうのに返事のひとつも寄越さん!」
スルガ「ふむ…ガイは大丈夫なんじゃないかい? 俺はそんな気がするがね…」
テツ「何を言うとるんじゃ、スルガ。あんな仁義も通さんようなひん曲がった輩は信用ならんのじゃ!」
テツ「仮にワシらの加勢に現れたとしても信用ならん。何せ奴めはあのキムの手下だったんじゃけえのう!」
スルガ「それも昔の話だ。俺はガンダムファイターには基本的に曲がった奴はいないと思ってるよ…」
テツ「スルガよぉ…お前も極道者なら分かるだろう? そんな甘っちょろい考えじゃ渡世はやっていけんぞ」
スルガ「今は極道者である前にガンダムファイターだ。…何なら賭けるかね? ガイが信用に足る人物か否か…」
テツ「フン、お前も好きじゃのう…。ええぞ、乗ってやらぁ!」
スルガ「成立だ。じゃ、俺は自分の命と…―――…これを賭けさせて貰うよ」
テツ「面白い。ならワシは…―――…こうじゃ!」
スルガ「さて、半が出るか丁が出るか…」
テツ「確かめるまで死ぬなよ、スルガ!」
スルガ「言われなくともわかってるよ、テツ!」


テツ「よおおし!鯉口組、『鬼ヶ島』へとカチ込むぞ!気合入れろや、お前ら!!メイプルに続けぇ!!」
お嬢「ニシキ出航!!連中に誰を相手にしているのか教えてやりぃ!!」
鯉口組構成員『へい!!若頭!!お嬢さん!!』

スルガ「さぁて…俺たちもそろそろ行くかね。中四国の戦だからって遠慮するこたぁない!存分に暴れてやりな!!」
子分『承知しやした、親分!!』


〜ネオ岡山・瀬戸大橋防衛線〜

モモタロウ(モモタロウ)「ふっ…! はっ…! ふっ…! はっ…!」
モモタロウ「ふぅ……こんなものか…」
ドウマン(ダンノウラ)「ぬぅわはははは!総攻撃間際まで素振りとは精の出ることだ!頼もしいのう!」
モモタロウ「ええ、ドウマンさん。今回は相手が相手ですからね」
ドウマン「ほう…やはりお主も大量虐殺兵器である『鬼ヶ島』は許しがたいか?」
モモタロウ「いえ、それもありますが…アレは俺にとって因縁の相手なんですよ…」
ドウマン「ふむ…県間戦争時代の逸話として名高い“桃太郎の鬼退治”…だな?」
モモタロウ「はい…俺はこんな名前ですが、桃から生まれたわけじゃありません。ちゃんと父親と母親がいました」
モモタロウ「ですが、その両親はアレを海の底深くに封印するために勇敢に戦って死んでいった…」
モモタロウ「それに報いるためにも、俺は父さんのガンダムでアレを再び封印しなくてはならないんですよ」
ドウマン「両親の背を追うか…。それは見事な覚悟! …しかし、死んではならぬぞ。お主はまだ若い」
モモタロウ「勿論、そのつもりですよ。俺はまだネオ岡山警察でやりたいことが残っている」
ドウマン「ぬぅわはははは!ならばよい! では、我々もそろそろ参ろうぞ! テツたちと合流せねばなるまい!」
モモタロウ「はい、いきましょう。ドウマンさん!」


モモタロウ「皆、準備はいいか!?」
モビルドッグ『ワンワン!!』
モビルモンキー『ウキッキー!!』
モビルバード『ケーーーン!!』
モモタロウ「ようし!ネオ岡山・ポリスザク機動隊!モモタロウガンダム部隊に続け!!」
機動隊『了解!!』

ドウマン「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!!」
ドウマン「ぬぅぅぅぅん! ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 ボウッ
式神MF部隊『……………』
ドウマン「ゆくぞ、陰陽部隊!いざ、瀬戸に巣食う怨霊たちを冥府に誘わん!!」


〜ネオ鳥取・中国山地の集落〜

ガイ(サンドヒル)「チッ…ギャアギャア騒ぎやがって…。あんなもん俺一人で十分だ」
ミドリ(ネオ鳥取)「いいじゃん!仲間は多いほうが心強いでしょ? 絶対そうだよ!」
ガイ「るせぇな…足手まといだ、っつってんだ…。―――…それより何だ、その荷物は。その準備は」
ミドリ「ボクはお医者さんです。だから、何か手伝えることがあるんじゃないかなー…って…」
ガイ「邪魔だ。死にてえのか?」
ミドリ「死なないよ!それに、死なせない!そのために行くんだから!」
ガイ「ケッ、平和ボケした甘ちゃんの台詞だな…。―――…言っておくが、サンドヒルには乗せねぇぞ」
ミドリ「ええっ!?それじゃあボク、どうやってあそこまで行けばいいの?」
ガイ「知るか、歩いてでも行ってろ。それが嫌ならこの村で大人しくしてるんだな」
ミドリ「うぅ…ガイ君のケチ!!」

ブロロロロ… プップー!

ダイセン爺(ミドリ祖父)「おぉい、ミドリや!わしが昔乗りこなしとったホバートラックが見つかったぞい!」
ゴロウ(元・ゴロツキ1)「俺のドリルズゴックの改修も間に合いやした!!」
イツキ(元・ゴロツキ2)「ミドリさんは俺のドリルゲルググで護衛いたしやす!!」

ミドリ「わぁい!お爺ちゃん、二人とも、ありがとう!これでボクも協力できるね!」
ガイ「チッ…余計な真似ばかりしやがって…」
ダイセン爺「わっはっはっは!サンドヒルを直してやったのはわしじゃぞ!随分な言い様じゃな!」
ガイ「フン…じじい、無駄に元気になりやがったな」
ダイセン爺「お前さんのお陰でまだまだ老け込むには早いと分かったんでのう!」
ガイ「ケッ、ポックリ逝くんじゃねぇぞ」
ダイセン爺「わははは!まだまだ死ねんわい! お前さんもせっかく直してやったガンダム、壊すでないぞ!」
ガイ「誰に物を言ってやがる…ボケ爺が…」

ミドリ「よーし!サンドヒルチーム、出撃だよ!」
ダイセン爺・ゴロウ・イツキ『おおーーーーーっ!!』
ガイ「ちょっと待ちやがれ!勝手にサンドヒルの名前で変なチームを作るんじゃねえ!!」


〜瀬戸内海・本州側戦線〜

機動隊員1「隊長!各機、配置につきました! ネオ広島の民間協力者の方も準備はできているようです!」
機動隊員2「四国同盟軍から入電! 『準備万端、イツデモ仕掛ケラレタシ』!」
モモタロウ「わかった。 ―――…包囲しているというのにやけに静かだな…」
ドウマン「おそらく、一度攻撃を仕掛ければ蜂の巣を突いたかの如く…であろうな」
モモタロウ「でしょうね…。ならば兵隊蜂を出す前に焼き尽くすまで!撃ち方、用意!!」


モモタロウ「全軍、一斉射撃!!」


*************


ドォォォォォォン…!

ミドリ「わっ!わっ!わっ! …じ、地震かな?」
ダイセン爺「いや、ミドリよ。わしらはちょっくら遅れてしまったようじゃのう!スピードを上げるぞ!」
ミドリ「あ、安全運転でお願いね!お爺ちゃん!」

ガイ「チッ…ホバーの足にあわせてりゃ戦場につく前に日が暮れちまうぜ…。―――…おい!先に行くぞ!」
ミドリ「ええ!?一人で先に行っちゃうの!?」
ガイ「俺は一人で十分なんだよ!じゃあな!」 ドシュゥゥゥゥン…
ゴロウ「イツキ!俺は兄貴についてくぜ!お前は爺さんとミドリさんを守れよ!」
イツキ「言われるまでもねえ!しっかり兄貴の背中を守れよ、ゴロウ!」
ゴロウ「おおよ! ―――…待ってくだせえ、兄貴!!」 ドシュゥゥゥゥン…

ダイセン爺「まぁ、ガイならば雑兵ごときに遅れはとるまいて!」
ミドリ「うん、ガイ君は強いからね!ゴロウ君もついてるし!」
イツキ「だけど俺たちも急ぎましょうや!下手すりゃ出番がなくなっちゃいますぜ!」


〜瀬戸内海・本州側戦線〜

鬼軍『グァアアアアア…』

機動隊員「ひぃっ!お、鬼だあッ!!鬼が出たぞおーーーっ!!」
鯉口組構成員「あ…あの県間戦争時代の大量虐殺MF…!」
スルガ子分「デ、デーモンアーミーじゃねぇのかよ!?話が違うじゃねえか!!」

鬼軍『グァアアアッ!!』

テツ「何様のつもりじゃワレぇッ!! 紅掌砕!!」 ズガァンッ!!
スルガ「所詮は魂の篭らない傀儡…恐れるこたぁない。 茶葉ストーム弾!!」 ズドドドドッ!!
モモタロウ「皆、怯えるな!姿形は違えど本質はデーモンアーミーと大差ない!全軍前進!!」

機動隊員「お、おおっ!!」
鯉口組構成員「さすがは若頭とスルガさん、それに桃の大将…頼もしいことこの上ねえ!!」
スルガ子分「下っ端の俺たちがビビッてちゃあ話にならねえ!!いくぜえッ!!」

ウオオオオオオオオオオオ!!

スルガ「やれやれ…尻を叩かなきゃ士気が上がらないたぁ手のかかる子分たちだ…」
テツ「言ってやるな。あの“鬼”っちゅうMFは中四国の人間にとっちゃ化けモンみてぇなもんよ…」
モモタロウ「くそっ、デーモンガンダムめ…。先手は打ったはずなのにまだ皆攻めかねている!」
テツ「敵さんがあの姿をしている以上、腰が引けちまうのも道理じゃ…」
スルガ「せめてあと一押し…発破をかける何かがありゃあ、いい流れに持ち込めるんだが…」

ドウマン「ぬぅははははは!心配は要らん!発破なら間もなくかかるはずよ!」

テツ「何じゃと?」
モモタロウ「レーダーに反応…―――…砂嵐だって!?」
スルガ「おっと、ここで主役の登場かい? ふふ…良いタイミングで来てくれるねぇ…」
ドウマン「今こそ好機!一気呵成に攻め立て、鬼の住む城を攻め落とす好機ぞ!」

鬼「グォアアアッ!!」 ガァッ!
機動隊員「や、やられる!?うわああああ!!」

ザウッ!

鬼「グォ…ア…」
ガイ「てめぇが鬼だと…? ハッ、聞いて呆れるぜ。本物の地獄を見てきた俺にとっちゃ―――」

グシャアッ… パラパラパラ…

ガイ「ただの鉄屑だな…」

機動隊員「す、すまない、援護を感謝する」
ガイ「援護だと…? そんなモンを受けなきゃてめぇはロクに戦えもしねえのか?」
機動隊員「な…何ッ!?」
ガイ「言ってやるよ…てめぇらは足手まといだ。鬼が怖けりゃとっとと家に帰って布団の中で震えてな」
機動隊員「き、貴様ァ…」

ガイ「さぁ、どきやがれザコどもが!! 奴は俺が叩き潰すッ!!」

鯉口組構成員「鳥取の若造が粋がりやがって…!」
スルガ子分「奴にだけは遅れをとるわけにはいかねえ!!」
機動隊員「ポリスザク機動隊!進め、進めええッ!!」

ウオオオオオオオオオオオ!!


テツ「フン…面白くねえが、士気がますます高まりやがった…」
モモタロウ「俺たちが先導するだけじゃたかが知れているが、ああいう鼓舞の方法もあるのか…」
スルガ「はっはっは、ありゃあガイにしかできない芸当だがね。本人も自覚はしてねえだろうよ…」
ドウマン「我々も見ている場合ではないぞ!ガイ・アラシに負けず功を競うのだぁ!!」

ウオオオオオオオオオオオ!!

ガイ「熱砂地獄!!」 ズシャアッ!!
鬼「グォ…ア…」 ボゴォォォ…

鬼軍『グォオオオオ…』

ガイ「チッ…無駄に数ばかり居やがって…。うざってぇ…!」
鬼「グォオオオッ!!」
ガイ「くっ、背後だと!? 野郎…ナメやがって…!」

ゴロウ「メガトンズゴックドリル!!」 グワッシャアッ!
鬼「グォォォッ…」 ズシン…
ゴロウ「ヒュウ!すっげえぜ、ドリルの威力! 兄貴、背中は任せてくだせえ!!」
ガイ「てめえ…勝手な真似しやがって…」
ゴロウ「言ったでしょ、俺たちゃ勝手にあんたを慕わせてもらうって!今回もそうさせてもらいやす!」
ガイ「そうかよ、ならしょうがねえ…! 砂塵地獄ッ!!」 ゴウッ!!
ゴロウ「!?」

鬼「グァァ…」 ボロボロボロ…

ゴロウ「お、俺の背後にも居やがったのか…」
ガイ「勝手に戦って、勝手に死ね。ただ、今みてえに俺の足を引っ張るなよ…」
ゴロウ「へ…へい!兄貴!!」


イツキ「ハイパーゲルググドリル!!」 グワッシャアッ!!
鬼「グォォーーーッ!!」
ダイセン爺「ぬううーっ!わしの運転テクニックをなめるなよーーーっ!!」
ミドリ「おじっ!お、お爺ちゃん!安全運転!安全運転!」

ガイ「チッ…何やってやがる、あいつら…! 行くぞ!!」 ダッ!
ゴロウ「うっす!!」 ダダッ!


お嬢「二番砲!四番砲!【昇竜】発射ぁッ!!」

キュィィィィン…   バシュゥゥゥゥゥゥンッ!!

お嬢「やった…?」
鬼「グァァアアアアッ!!」
お嬢「ッ!? か、回避ぃっ!」
鯉口組構成員「だ…駄目でさぁ!避けきれません!!」
お嬢「(テツ…!)」

テツ「おんどれ何さらしとんじゃあッ!! 諸刃正眼極道突きぃッ!!」 ズガァッ!
鬼「グォアアッ!?」 ドォォォン…

お嬢「テ、テツ…ありがとう、命拾ったわ…」
テツ「オジキの一人娘を死なすわけにはいかんからのう! ニシキはもう少し下がっとれ!!」
お嬢「うん!テツ、死んだらあかんよ!?」
テツ「わかっとるわい!」
テツ「(…とは言え、こりゃあエネルギーが持たんかも知れんのう…)」


鬼軍『グォオオオオ…』

モモタロウ「くそっ!なんて数だ!! 鬼ヶ島にはまだこんなに県間戦争の遺産が残っていたのか!?」
スルガ「このままだと、ちぃとばかしマズいねえ…。一気に殲滅できりゃあ話が早いんだが…」
モモタロウ「何か手はないのか!?」
ドウマン「ところがどっこい!あるんだなぁ、これが! ぬぅわははははは!!」
スルガ「あ、あるのかい?」
モモタロウ「それならどうして早く使わないんですか!」
ドウマン「ぬっふっふ…少しばかり仕込みに時間がかかってしまってな…。だが心配は要らん。只今完成したぞ!」
スルガ「そりゃあ、ありがてえや。ここはひとつ最強の陰陽師に頼るとするかね」
ドウマン「よかろう!我が奥義を見せてくれる! 各機、我が示す方角へ移動せよ!!」

ドウマン「北方!玄武の門はモモタロウガンダム!」
モモタロウ「了解! いくぞ、皆!!」
モビルドッグ『ワンワン!!』
モビルモンキー『ウキッキー!!』
モビルバード『ケーーーン!!』

ドウマン「東方!青龍の門はガンダムギョクロ!」
スルガ「何が始まるか分からねぇが…乾坤一擲、賭けてみるかね…」

ドウマン「南方!朱雀の門はメイプルガンダム!」
テツ「ドウマン!ここはおのれの技に任せるけえのう!!」

ドウマン「そして西方!白虎の門はガンダムサンドヒル!」
ガイ「チッ…何をくだらねぇことをやってやがる…」
ミドリ「ガイ君!呼ばれてるよ!早く早く!」
ガイ「るせえッ!! ―――…クソッ、ふざけた真似しやがったらぶっ潰すぞ…」

ドウマン「うむ、これでよし! 四方に四神の門揃いし時…我が開くは中央・黄竜の門!」

式神MF部隊『…コウ…オツ…ヘイ…テイ…ボ…キ…コウ…シン…ジン…キ…』
式神MF部隊『…セーマン…ドーマン…セーマン…ドーマン…』

コォォォォォォォッ…

ドウマン「陰陽五星門・隔世之陣ッ!! ぶるぁああああああああッ!!」

鬼軍『グォアアッ!?』

キィン…―――…ドゴォォォォォォォォォォンッ…―――

ドウマン「南無!成仏せいッ!」

スルガ「こいつはたまげた…」
テツ「まさか、こんな大技を用意してたとは…」
モモタロウ「す、すごい…あの大軍が一気に光の中に消えてしまった…」
ドウマン「ぬぅわははははは!!これが我が陰陽術と、お主らガンダムファイターの霊力よ!!」

ガイ「おい!何をボヤボヤしてやがるッ!!」
ドウマン「む? ―――…な、何ィ!?」
ガンダムヘッド『ギシャアアアアアッ!!』 ズガァッ!!
ドウマン「ぬぉぉおおおおおッ!!」 ヒューーーン…
モモタロウ「ド…ドウマンさん!?」
テツ「てめえッ!紅掌祭殺!!」 ドガァッ!!
ガンダムヘッド『ギッ!?』 ドォンッ…
テツ「こ…こいつは…こいつはまさしくデーモンガンダムの触手じゃ…!」
モモタロウ「し、しかし奴は鬼ヶ島の奥に巣食っているはず…! 何故だ…!?」

スルガ「…どうやら、俺たちはとんだ思い違いをしてたみたいだねぇ…」

ゴゴゴゴゴゴゴ…


鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … 』


モモタロウ「鬼ヶ島が…吼えてやがる…!」
テツ「ま、まさか…あれ自体がデーモンガンダムになっとるじゃとおッ!?」
ガイ「ちぃっ…うざってぇことになってきやがった…!」


鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … 』

ガンダムヘッド『ギシャアアアアッ!!』

ビシュウッ! ドシュウッ!

機動隊員1「ま、まるでビームの雨だ! うわああああ!」 ドォォォン…
モモタロウ「くっ!各機後退!後退だあッ! ―――…四国側はどうなっている!?」
機動隊員2「し…し、四国側戦線!同士討ちです!同士討ちをしていますッ!」
モモタロウ「なんだって!?そんな馬鹿な!!―――な、何がどうなっているんだ!?」
スルガ「こいつぁまさか…。…そこか!ウナギウィップ!」 シュッ

ザバァッ…

ドウマン「げほぉっ、ごほぉっ…す、すまぬ、助かったぞ…。わしとしたことが、ぬかったわ…」
スルガ「礼はいい。それより、四国戦線の方がどうなっているか分かるかい?」
ドウマン「しばし待て…。 ぬん!千里眼!」 キュィィィン…

ドウマン「ぬううッ!あやつらめ!」
モモタロウ「な、何かわかったんですか!?」
ドウマン「あれは同士討ちに見えるが、一方は県間戦争時代の四国同盟軍の残骸を媒体に使った傀儡ぞ!」
モモタロウ「なんだって!?つまり、彼らは先人たちの機体と交戦しているのか!?」
スルガ「悪魔なだけあってやることがえげつねぇな…。トラザメたちのことだ、心配は不要だろうが…」

ガイ「チッ…向こうの心配をしてる暇ァねぇぞ!!」
ガンダムヘッド『ギシャアアッ!!』 ギュンッ
ガイ「ザコがッ!調子に乗ってんじゃねえ!! 地獄変・百鬼夜行!!」

ズォォォォォォォ…

 

ガイ「地獄に…堕ちやがれ!!」
百鬼夜行『グガァァァァァァァッ!!』

ドガガガガガガガガッ…!

ガンダムヘッド『ギィィィッ!?』 ドォォン…

鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … 』 パシュッ…


モモタロウ「なっ…あ、あの百鬼夜行が…まったく通用しないだって…?」
ドウマン「ぬぅぅ!大きさが違いすぎる!あれではまさに巨象に挑む蟻の一撃!」
スルガ「やはり、内部に侵入してコアを破壊するしかないな…。―――…来るぞ!!」


鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … 』

キュィィィィィン…   ―――…ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!


モモタロウ「ぐあああああッ!!」
ドウマン「ぬっ、ぬぅぅぅ!! い…いかん!こんな攻撃が本州に加えられては…!!」

ガイ「ちぃいッ!!避け切れねぇッ!!」
ゴロウ「うおおおッ!!兄貴ィィィッ!!」 ガンッ!
ガイ「ぐあッ! て…てめぇ!!」
ゴロウ「す、すんません…ここらで勝手に、死―――」 ドォォォン…

イツキ「ゴ…ゴロウーーーーーッ!!」
ミドリ「え?う、嘘…?嘘…だよね…? ゴ、ゴロウ君ッ!?」

ガイ「ッ…! クソ野郎…!!」


テツ「―――…行くか…」
お嬢「テ、テツ!やめて!お願いだから考え直して!!」
テツ「お嬢…わかっとるじゃろう…。こうするしかないんじゃ…」
お嬢「そんな…お父さんが病床に伏しとる今、若頭まで失ったら鯉口組はこれからどうすればいいん!?」
テツ「…すまんがのう…お嬢よ…。今のワシは鯉口組の若頭であるよりも、ネオ広島を愛する一個人でおりたいんじゃ…」
お嬢「テ、テツ…!」
テツ「それに…この悲しい運命を背負った冥風龍(メイプル)もそろそろ休ませてやらにゃあならんけえ…」

スルガ「…だから、奴の体内に特攻して…自爆させる気かい?」

テツ「スルガか…長いようで短い付き合いじゃったのう…」
お嬢「ス、スルガさん!お願い!テツを止めて!」
スルガ「お嬢…本当に覚悟をくくった男を止めるのは俺でも無理な話だ…。だが、テツ…お前さんは本当にそれでいいのかい?」
テツ「ネオ広島のために死ねるんじゃ。これ以上の死はねぇ…」
スルガ「…俺には、とてもそうは思えないがね…」
テツ「なんじゃと!?」
スルガ「テツよォ…お前もわかってるだろう。まだお前さんは鯉口組に…いや、ネオ広島に必要な侠(おとこ)だってことが」
テツ「…じゃがの、ここでワシがやらんと―――」

モモタロウ「ならば…その代役、俺が務めます! 元々、鬼退治は俺の仕事だ!!」
ドウマン「あいや待たれよ! お主らは未来の希望の光!死なせるわけにはいかぬ!!」

テツ「モモタロウ…ドウマン…」
スルガ「なぁ、テツ…こうやってお前さんの代わりに命を張ろうって奴が少なくとも二人…いや、三人いるんだ…」
テツ「スルガ…お前も…」
スルガ「だがね、まだ皆死に急ぐのは早い。まだ何か打つ手はある…死ぬ覚悟があるなら、それを死ぬ気で探してみないかい?」
テツ「…そう…じゃな…。―――…フン、ワシとしたことが軽く命を投げ捨てるところじゃったのう」
お嬢「テツ!!」
テツ「すまんの、お嬢…。らしくもねえことを言っちまった…」
お嬢「ううん、わかってくれたんならそれでいいんよ!」


鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … 』


ゴゴゴゴゴゴゴ…

モモタロウ「ゆっくりだが、確実に本州に近づいてきている…!」
テツ「ドウマン!さっきのけったいな術はもう一度撃てんのかいのう!?」
ドウマン「ぬぅ…すまぬ!わしの式神MF部隊は全滅してしまった!陣形を組めない以上、二発目は無理なのだ!」
スルガ「それは参ったねぇ…。奴を倒すには…同等、それ以上の力をコアにぶつけるしかないのだが…」


ガンダムヘッド『ギシャアアアアアッ!!』 ズガァッ!!
イツキ「うおおおおッ!? ぐぅぅっ、兄貴ィ!!ミドリさぁん!!」

ミドリ「うっ…ううっ…ボクは…ボクは医者なのに…今、何もできないなんて…(ポロポロ…)」
ダイセン爺「ミドリ!しっかりせんかい!お前の仕事はあいつを倒した後じゃ!気をしっかり持て!」
ガンダムヘッド『ギシャアアアアアッ!!』
ダイセン爺「ぬぅぅッ!!トラックだからといってナメるでないわ!簡単には捕まらんぞぉ!!」


ガイ「(信じられるのは自分だけ…戦いは孤独なもの…俺はずっとそうやって生きてきた…)」
ガイ「(仲間だと嘯く連中を殺し、立ち塞がる敵を叩きのめし、地獄の道をただ一人歩いてきた…)」
ガイ「(しかし何だ、今の俺の気持ちは! ―――これじゃあ、まるで…)」

ダイセン爺「ぬおおおおッ!!」
ミドリ「きゃあああ!!」

ガイ「!!」
―――『オイオイ…いつまでボンヤリしている気だ? 力が欲しいんだろう?』
ガイ「て…てめぇは…!」
ガイの影『ククク…せっかく手に入れた居場所だもんなァ…。そりゃあ、こんな所で失いたくはねぇだろう…なァ?』

ガイ「俺…だと…?」

影『あァ、確かにこの姿はお前のもの…。だが、俺はお前じゃあねぇ…。…覚えているだろう、この機体には―――』

ガイ「…DG細胞か…」

影『そう。いつまで経ってもお前が呼んでくれねぇから、ついつい出てきちまったよ…ククク…』

ガイ「…失せろ…てめえに用はねぇ…」

影『クク、嘘だな。今まで全てを拒み、孤独に生きてきたお前だが…今、あの女を…仲間を失いたくないと思っている』

ガイ「何勝手なことを抜かしてやがる!!」

影『俺はお前じゃあねぇ。しかし、俺はお前でもあるのさ…。認めろよ、俺はお前の味方だぜ…?』

ガイ「…!!」

影『さて…ここで交渉だ。お前が俺に体を貸せば、俺はお前に力をくれてやろう…。あのデカブツを叩きのめす最高の力だ』
影『勿論あの女は守れるし、再びあの居心地のいい空間で暮らすことができる。良い条件だとは思わねぇか?』

ガイ「ただ、俺の体はてめえに乗っ取られる…」

影『一時的なものさ。クク…こりゃあ交渉にもなってねぇな…。どうする?ただ一度、俺を受け入れりゃいい…』
影『そうすれば全て解決だ…。―――…さあ…ガイ・アラシ…素直になれよ』

ガイ「……………」
ガイ「………」
ガイ「…」

ガイ「…来い…俺に力をよこしやがれ…」

影『交・渉・成・立♪』 ズズズズズズ…


ガイ「おおおおおおおおおおおおおおッ!!」

メキメキ… バキィッ… メキメキメキメキ…

モモタロウ「な、なんだ!?サンドヒルの姿が変わっていくッ!?」
ドウマン「ぬぅぅ!?あ…あの禍々しき気はまさしく…!」
テツ「DG細胞じゃと!? ―――そうか、あれはイザナミの野郎が開発を手がけた機体じゃ! …やつめ!とうとう!」
スルガ「待て、皆…様子がおかしい。あれは俺たちを裏切る動きじゃない…」


ガイ「がああああああああッ!!」
影『クククッ、気持ちいいだろう? さあ、全てを俺に任せな…もっと気持ちいいようにしてやるぜ!』
ガイ「…フン…、…冗談じゃ…ねえな…」
影『な、何!?』
ガイ「クク…馬鹿がッ! てめえの力はいただく…だが、俺の体はてめえにやるつもりは…ねえッ!!」
影『DG細胞の侵食を抑え込む気か? 馬鹿を言うんじゃねぇ、そんな真似が―――』
ガイ「できるんだよ…! 俺は…俺は全てを拒む!欲しいモンがありゃあ、奪う!邪魔する奴は、叩き潰す!」
ガイ「俺は誰も信頼したりしねえ…! 俺の影であるてめえも、その例外じゃねえのさ!」
影『グッ、グオオオオ…! や、野郎ッ!せっかく自由な体を…手に入れられると思ったのに…!』
ガイ「…安心しな…こんなクソッタレた力、すぐ返してやるよ…!」


ガイ「うおおおおおおおあああああああああッ!!」

パキィィィン…

ガイ「ハァッ…ハァッ…」

モモタロウ「あ…あれが…DG細胞を解放したサンドヒルの姿…」
ドウマン「な、なんと黒く…なんと禍々しき姿だ…。まるで全てを拒絶するかのような…」

スルガ「…だが…どこか悲しい姿だな…」
テツ「ああ…あれは…―――」


鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … 』

ガイ「ハァッ…ハァッ…おおおおおおッ!!」 バシュウッ!!

モモタロウ「マントが蝙蝠の翼にッ!?」
ドウマン「速いッ!!」

ガンダムヘッド『ギシャアアアアアアアアッ!!』
ガイ「どきやがれええええええッ!!」 ズガガガガガッ!!
ガンダムヘッド『ギッ!?』 ドドドドドォォォン!!

スルガ「なんと!全部の触手を一瞬で叩き潰したッ!?」
テツ「ワシらもボーッとしとる暇はねえ!!ガイに続けッ!!」


ズガァァァァァンッ!!

鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ … 』

ガイ「ハァッ…ハァッ…、跡形残らず消し飛べッ…!!」


ガイ「等活!!」

ガイ「黒縄!!」

ガイ「衆合!!」

ガイ「叫喚!!」

ガイ「大叫喚!!」

ガイ「焦熱!!」

ガイ「大焦熱!!」


鬼ヶ島『 グ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ! ! ! !』

ガイ「とどめだ…―――最終地獄・無間…!!」


カァッ…―――…ズガァァァァァァァァァァンッ!!!

ガイ「コアを破壊したぞッ!!早くしやがれええええええッ!!」



モモタロウ「了解!! モビルアニマル・全機合体!! 対鬼ヶ島形態!!」

モモタロウ「鬼切刀…フルパワァァァァーーーーーッ!!!」 キュィィィィィィン…

モモタロウ「縦一文字斬りぃぃぃぃぃッ!!!」


*************


影『クク…今回はしてやられたよ…。だが、覚えときな…お前はまた俺に頼ることになる…』
影『そして力の対価…それは別のモンで払って貰うぜ…。クク…万引きはいけねぇよなァ…』


*************


テツ「おい、ガイ!しっかりせえ!目を覚まさんかい!!」
ドウマン「むう…これは酷い!DG細胞には侵されてはおらんが、細胞の破壊が進んでおる!」
モモタロウ「す、すぐにキト先生を!!」
スルガ「いや、今からじゃ間に合わん!この近くの病院から、誰でもいい!医者を!」

ミドリ「すっ、すみません!どいてください!どいてくださいっ!…ボ…ボク…医者ですっ!」

モモタロウ「お、女の子…?」
テツ「小娘ぇ!おままごとならよそでせえ!!」
ミドリ「ボクは医者なんです!それで…ガイ君はボクの大事なお友達です!!」
ドウマン「お主が!? …とてもそうとは…」
スルガ「いや…―――」

ミドリ「(じっ…)」

スルガ「…ここはこの娘に任せよう。医術の心得の無い俺たちには何もできん…」
テツ「ええんか、スルガ!?」
スルガ「テツ、俺たちが騒いでたって何にもならん。今、俺たちがするべきことは他にある」
ミドリ「ありがとう…ございます…」
スルガ「礼を言う暇があったらそいつを助けてやってくれ。俺たちの大事な…仲間だ…」
ミドリ「!! ―――…はいっ…!」


*************


『ミドリ…医者というものは、自己中心的であるべきなんだ…』
『“治してあげたい”…それは確かに優しいかも知れない。しかし、それだけでは人は救えない』
『必要なのは“治したい”という自分自身の意思…例えどんな患者でも受け入れ、そう思わなくちゃならない』
『ミドリ…君は優しい。だけどそれだけじゃいけないんだ…わかるね?』
『全てを受け入れなさい…。そして、絶対に手放さないようにね…』

ミドリ「わかってる…。わかってるよ、お父さん…」
ミドリ「ガイ君…ボクは君を死なせない…。そのためにここに来たんだから…!」

ミドリ「絶対に、治してみせるよ…!」

……………

………


〜そして…〜

ガイ「…!」
ガイ「―――ここは…」 ムク…

テツ「中国地方総合病院じゃ…。あれから三日、よう眠っとったのう…」
ガイ「…てめえか…。何の用だ…?」
テツ「フン、相変わらず無愛想な奴じゃのう…。血染葉のテツが、こんな奴に命を救われるたぁ情けない話じゃ」
ガイ「別にてめえらのためにやったわけじゃねぇ…。俺が奴を叩き潰したいからやったまでだ…」
テツ「それでも、ワシらがお前に助けられたのは事実じゃ…」
ガイ「ケッ…」
テツ「…お前が礼を望んどらんのは知っとる…じゃから、礼は言わん…」
テツ「じゃが、ワシは正直…今回のことでお前を見直した。それだけは言っておく…」
ガイ「命を救われたからか? ハッ、現金なやつだな…」
テツ「どう取って貰うても構わん。…じゃ、ワシは帰る…じゃあの…」
ガイ「おう、とっとと失せろ…」
テツ「…ああ、それと…その娘っこ、ずっとお前に付きっきりじゃったぞ…。…良い女を見つけたのう…」
ガイ「あァ!?」

ミドリ「うーん…むにゃむにゃ…ガイ君…」 スースー…

ガイ「…こいつ…」
テツ「大事にしてやれよ。ワシに恋のいろはは分からんがのう」
ガイ「おい、ちょっと待ちやがれ!別に―――」

バタン…

ガイ「チッ…面倒な勘違いしていきやがって…」
ミドリ「…むにゃむにゃ…それはゴールデンレトリバーだよ、ガイ君…」 スースー…
ガイ「何の夢を見てんだよ、てめえは」


テツ「賭けはお前の勝ちじゃったな。スルガよ…」
スルガ「はっはっは、何言ってるんだい。途中でお前さんもこっちに賭け変えたろう? 無効だよ…」
テツ「フン…口だけは達者な奴じゃのう…」


〜格納庫〜

ダイセン爺「ふーむ…実に興味深いのう…。まさかサンドヒルが自分からDG細胞を排除するとは…」
ドウマン「何も不思議なことはない。機体には人の魂が宿る。サンドヒルが、ガイの意思を汲んだだけの話よ…」
ダイセン爺「そうじゃな…わしもそう思うことにする。本当に主想いの、良い機体じゃ」
モモタロウ「ですが、DG細胞の発生装置を完全に取り除くことはできませんでした…これでは―――」
ドウマン「うむ、あの悪鬼羅刹の如き姿…再び現れる日が来るかも知れんな…」
モモタロウ「その時…俺はガイのことを仲間だと思えるんでしょうか…?」
ドウマン「…そうだな…頭では分かっているのだが…」
ダイセン爺「なぁに、心配は要らんよ。わしの自慢の孫がついとるんじゃからな!」

ゴロウ「さぁさぁ皆さん、梨が剥けましたぜ!」
イツキ「整備の方、ご苦労様です!これ、差し入れですぜ!」

ダイセン爺「こりゃ!お前らはせっかくわしがカスタムしてやった機体を壊しおって!愛想良くしても誤魔化せんぞ!」
ゴロウ「あ、やっぱり?」
イツキ「じいさん、勘弁してくれえ!!」
ダイセン爺「一発このスパナで殴ってやるわい!そこに直れ!」
ゴロウ・イツキ「ひぃいいいい!!」

モモタロウ「大丈夫…そうですね…」
ドウマン「ぬぅわはははは!仲間に恵まれたな!あやつめは!」



ガイ「っきしッ…!」
ミドリ「あれ?ガイ君、今くしゃみした?」
ガイ「…してねえよ…」


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