地方別反省会 〜北海道・東北編〜

ベニバナ(チェリー)「それでは僕たちも第一回、地方別反省会の北海道・東北編をはじめましょう」
パチパチパチ…
ベニバナ「えーっと、このたびはカムイさん、ガンダムファイト優勝おめでとうございます」
カムイ(シャクシャイン)「……ありがとう…、…師匠とお前たちには修行の時に世話になった……」
マサジロウ(ダテ)「ほっほっほ、しかし四年後はこうはいかんぞ。次こそは我らのネオ宮城が…」
ケヤキ(ビャッコ)「せ、先生!もうお年なんですから無理をなさらないで!」
マサジロウ「何を言うか!ワシは生涯現役じゃい!」
ヒバ(ネブタ)「まったく…相変わらず元気な爺さんだべ…」
ミナミ(めんこい)「そうですね。ですが、それを知っているからこそ次の大会でも手加減は無用ということです」
キバ(ナマハゲ)「そう、次だ。俺は一度負けた相手にゃ二度と負けねぇぜ?覚悟しとけよ、カムイ!」
カムイ「……ああ……俺も負ける気はない……」
ベニバナ「それじゃ、良い感じに盛り上がってきたところで各試合のダイジェスト、いってみましょうか!」

ベニバナ「えーっと…第一試合は確か、カムイさんとリュウタニ先生の対戦でしたね」
ケヤキ「この試合はすごく驚いたなぁ…。まさかリュウタニ先生が負けるとは思ってもいなかったし…」
ミナミ「ええ、私もです。北海道、東北ブロックの一番の難関がリュウタニ先生だと思っていましたから」
カムイ「……運だ…。…師匠があと数年若ければ…俺は負けていた……」
マサジロウ「謙遜はいらんぞ、カムイ。たった数十秒で独眼流最大の死角を見つけ、間合いに入り込めたお主の実力勝ちじゃ」
キバ「しっかし、実力だとしても大金星だったな。誰もカムイが勝つなんて思ってなかったんじゃねぇか?」
マサジロウ「そうでもないのう?津軽の鷹の目よ…」
ヒバ「んだ。オラぁあン時のボウズがガンダムに乗り始めたって聞いただけで今大会一の要チェック対象だと思ってたべ」
ケヤキ「あ、そういえばヒバさんはカムイさんと県間戦争時代以来の再会でしたっけ…」
ベニバナ「僕たちより小さい頃のカムイさん…想像できないなぁ…。ちなみにどんな子供だったんですか?」
ヒバ「そりゃあもういっつも仏頂面の可愛くねぇガキさで、オラも随分と…」
カムイ「コホン…、…次行こう…ベニバナ……」

ベニバナ「あ、次は僕とキバさんの対戦でしたね…。う〜…あんまり思い出したくないんですけど…」
キバ「がっはっはっは!そうツレねぇこと言うんじゃねえ!俺の数少ねぇ白星なんだからよ!」
カムイ「……ナマハゲガンダムの性能をフルに発揮していた試合だったな……」
ヒバ「んだ。オラたちスナイパーにとって全速力で突進してこられることほど怖いことはねぇだ」
ベニバナ「そうですよぉ…。普段なら冷静に射抜ける距離だったんですけど僕、びっくりしちゃって…」
マサジロウ「ほっほっほ、修行が足りんのう。ベニバナよ」
キバ「ま、これもいつか再試合だ!次の喧嘩こそはビビらずどっしり構えて撃ってこい!」
ベニバナ「い、いや…正直ナマハゲガンダムとはもう…」
キバ「何怖気づいてやがる!キンタマ縮んでんじゃねぇのか!?」 モミモミ…
ベニバナ「ひゃん!や、やめてくださいっ!」

ミナミ「ふ…不潔です…」
ケヤキ「キバさんには言っても無駄ですよ、ミナミさん…」

ベニバナ「はぁはぁ…つ、次はヒバさんとミナミさんの試合ですか。これも意外でしたね」
ミナミ「いえ、これは順当な結果でしょう。勿論、ガンダムファイターの腕が悪いというわけではありません」
カムイ「……めんこいガンダムの勝った試合でNEPEが発動していた試合は数少ない……」
ミナミ「気付いていましたか…。その通りです、私にとって装甲を捨てるNEPEは一か八かの不本意な戦法ですから…」
マサジロウ「まぁ、要するに機体の相性じゃの。そもそもヒバには一対一の決闘は向いておらん」
ヒバ「でも負けたことには変わりはねぇべ…。ミナミさん、そんなに謙遜する必要はねぇだ」
ケヤキ「もっと試合場が広く、障害物がたくさんあればヒバさんが勝っていたかも知れませんね」
ヒバ「負けた試合にどうこう言う必要はねぇだ。次、戦い方を変えりゃあいい話だべ」
ベニバナ「クールだなぁ…僕もスナイパーとして見習わないと!」
キバ「ベニ坊がヒバの旦那の立ち位置まで行くには二十年ぐれぇかかりそうだぜ?」
カムイ「…うむ………」
ベニバナ「と、とにかく頑張って早く行けるようにします!」

ベニバナ「あ…今度は準決勝ですね。カムイさんとキバさんの試合です。これ、名勝負だったなぁ!」
ケヤキ「ああ、そうだったな!俺、見てるだけだったのに思わず拳を握っちまったよ!」
カムイ「……あんなに早い段階でレラ・ソードを破壊されたのはあの試合しかない……」
マサジロウ「誰が見ても『秋田の鬼恐るべし』…そう言わざるを余儀なくされる猛攻じゃった…」
キバ「ふん!ベタ褒めするんじゃねぇよ。どのみち俺ぁあの試合で負けたんだ」
ミナミ「分からない試合でしたけどね。あの時のカムイさんともう一度戦えるならば、勝つ自信はあります」
ヒバ「おーおー、そう言えば制御のできないエペタムを起動して暴走させたんだっただな」
マサジロウ「ほっほっほ、ワシの試合では感じられなかった若さを感じたのう」
カムイ「……………」
キバ「はっはっは!そう黙り込むんじゃねぇよ!俺はああ言う大博打好きだぜ!」
ベニバナ「そ、そうですよ!それにあの機体の損傷で立ち上がる時点で十分凄いです!」
カムイ「……ああ……」
ケヤキ「やっぱり…ユキエちゃんの(愛の)応援があったからですかね?」
カムイ「……いや、あの時は…観客席のことを考える余裕はなかった……」
ケヤキ「あ、そうですか」
ミナミ「(前途多難ですね、ユキエちゃん…。お互い頑張りましょう!)」

ベニバナ「えーっと…次はいよいよケヤキ君とミナミさんの試合!これは皆さん試合後にびっくりしましたよね!」
カムイ「……ああ……」
キバ「そりゃあブッたまげるぜぇ!なにせ…」
ケヤキ「うう…!い、言わないでいただきたいッ!あの時は俺もどうかしていたんです!」
ミナミ「あれほどまで精神を追い詰めるなんて思っていませんでした。ごめんなさい、ケヤキ君」
ケヤキ「ミ…ミナミさんは悪くありません!全てはつい衝動的になってしまった自分が悪かったんです!」
マサジロウ「ほっほっほ、ケヤキもまだまだじゃのう。明鏡止水を習得するまで先は長そうじゃ…」
ヒバ「しかし、あれでよく助かっただな…。噂では怪我ひとつなかったって話だべ…」
ケヤキ「ええ…何の偶然か、丁度ビャッコのシステムがダウンして俺を貫く前にビームサーベルの刃が消えたんです」
マサジロウ「ふむ…どうやら奴に護られたようじゃの…」
ヒバ「肉体死すとも魂は死せず…ガンダムビャッコの守り神になったようだべ…」
カムイ「………見事………」
ケヤキ「え?何の話ですか?」

ベニバナ「そして最後はカムイさんとミナミさんの試合でしたね。改めてエペタムの凄さを思い知らされました」
キバ「ああ、まさかあの小っこいのが全部集まってビームサーベルの形になるたぁ思ってもいなかったからな!」
ケヤキ「さすがの岩手の鉄壁もあれだけは防ぎきれなかった…ってことですね」
ミナミ「しかし、勝敗を決めたのは武装だけではありませんよ。私が驚いたのはあれを制御するカムイさんの精神力です」
ヒバ「そう言やあの試合は何故か完全に制御できてただな。何か秘訣でもあったべか?」
カムイ「……ああ…これが……」 チャラッ
マサジロウ「ほう、木彫りの御守りじゃな…。ユキエ嬢の手作りかの?」
カムイ「…はい…」
ケヤキ「おおおっ!」
ベニバナ「や、やっぱりカムイさん…!」
カムイ「……天地自然の神々が俺に力を貸してくれたようだ……」
一同「(そっちかい!)」
ミナミ「(と…とことん前途多難ですね、ユキエちゃん…)」
ケヤキ「(い…いくらなんでも鈍感すぎるだろ、この人…)」
カムイ「……皆、どうかしたのか……?」
キバ「なんでもねぇよ!…ったく、お前…今度ユキエちゃんの買い物にでも付き合ってやれ!」
カムイ「…?…よく分からんが…承知した…」

ベニバナ「さてと…これで北海道・東北ブロックの試合は全部ですね。うーん…僕たちは反省する点が多いなぁ…」
マサジロウ「何、お主らは若い。そうして叩かれて叩かれて強くなることこそ大切なのじゃ」
ケヤキ「ええ、分かっています。いつかはカムイさんに並んで見せますよ」
カムイ「……楽しみにしている……」
キバ「なら、俺に任せておきな!俺の地獄の特訓で鍛えりゃあ強くなるなんてあっという間よ!」
ミナミ「あれはキョウシロウ君だからこそ耐えれたんでしょう。普通死にます」
ヒバ「ヘタレな癖にタフなのは親父譲りだべ。キバよぉ、お前さんはコーチには向いてねぇだ」
キバ「チッ、二人とも言ってくれるぜ!」

ベニバナ「では、これにて今日はお開きということで…皆様お疲れ様でした!」
マサジロウ「次のガンダムファイト、楽しみにさせてもらうぞい」
カムイ「……願わくば…今一度、研鑽して強くなったこのメンバーで予選を行いたい……」
ミナミ「次こそは負けませんよ。カムイさん」
キバ「へっへっへ…てめぇの首を狙うのは全国各地に数いれど、捕るのはたった一人だぜ?」
ケヤキ「ええ!この中の全員が全員、自分だと思ってますから!」

カムイ「……フ…、…戦いが終わったとは言え…修行は怠れんな……」


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