地方別反省会 〜中部編〜

エチゴ「それでは第一回、地方別反省会・中部編を開始する」
パチパチパチ
キト「みなさんお手柔らかにお願いしますよ。」
エチゴ「今日の任務は反省会の完遂だが、勿論中部の名産を揃えた食事会でもあるので楽しんでほしい」
エチゴ「ということだ…食欲をもてあます」ジュルリ
エチゴ「うぉおおおおおお!!うますぎる!!!」

キト「やはり…こうなるとは薄々気付いていましたけども」
カキョウ「はっはっは!粋な食いっぷりだねぇ!確かにどの食い物も美味そうだ…!」
ナダレ「……マエダさん…!再びめぐり合えるだなんてこれはきっと運命ですわ…!け、結婚し」
ユーリ「姉さん!何言ってるんですか!! 今日はただの中部代表反省会ですよ!」
シュウヤ「…なんか一人違う奴が紛れ込んでるみたいだがや…ユーリさんも俺みたいに目立ちたいんだぎゃ?」
ユーリ「…いや、すまない…。ガンダムファイトに参加してから、どうも姉さんの様子が変なものだから心配で、心配で…」
スルガ「まあ山梨もぎりぎりで関東なんだし、俺とは県間戦争でも富士山を巡って戦った間柄だ…許してやんな」
シュウヤ「スルガの親分さんがそう言うなら仕方ないだぎゃ…でもあんまり目立つようならつまみださせてもらうぎゃ」
シュウヤ(イケメンのユーリさんに目立たれたら…俺の立場がないぎゃ… それにサキもきっと俺に目を向けてくれなくなるがや…)
ユーリ「本当にすまない…話に水を差すようなことはしないから、みんなで楽しんでほしい」

サキ「…なんだか前途多難だわ… 無事に終われるのかしら」

キト「進行役だったエチゴさんがああなので、僭越ながら私が代役を務めさせていただきます」
スルガ「おぅ、すまねえな。頼むぜ しかし一人足りねえ様だが…?」
エチゴ「スノッチか。彼は(ハフハフ)なんでもネズミーランドで(ガツガツ)(ガツガツ)(ガツガツ)」
キト「私が説明しますから、食べながら話さないでくださいエチゴさん」
キト「『ミックから一仕事頼まれてね…夢の国での仕事というのも中々…イヤ、ベリーハードだ。時間通りに行くのは無理。』だそうです」
シュウヤ「…あのエセ外人にネズミーランドでの仕事が勤まるんだぎゃ?俺みたいなスター性がないとやっていけないがや」
サキ「あら、スノッチさんはどうやらネオアメリカで相当な有名人らしいわよ?国民で知らないものはいないってほどの」
シュウヤ「それは本当がや!?あのエセ外人もなかなかやるようだて…」
シュウヤ(本当なら…ネオアメリカに売り込むときはスノッチさんに付いてもらえば楽勝だがや…!)ニヤニヤ
サキ「あんた何ニヤニヤしてんの…?にやけ過ぎで気持ち悪いわよ…」
サキ(普通にしていればそれなりにいい顔してるのに)ぼそっ

シュウヤ「このシュウヤ・ハシバ、ネオジャパン、ネオアメリカでとどまる男じゃないがや…世界で一番目立つ男になるがやー!!」
サキ「いきなり立ち上がって叫ばないでよ!前言撤回だわ…ちょっとあんたは黙ってなさいっ」
カキョウ「なかなか粋なこと言ってくれるねぇ!応援してやる、頑張れよ!」
スルガ「その心意気だぜ…頑張れよっ」
キト「若い方の夢というのは希望に満ちていていいですよね…私も応援していますよ」
ナダレ「ふふっ…歌手デビューもうまくいきそうだし、頑張ってね!」
サキ「皆さんも真に受けないでください!」

キト「シュウヤさんの熱い誓いも聞けたことですし、本題に移りますね」
カキョウ「そうだったねぇ…今日は反省会だってことでわざわざ行脚の途中で戻ってきたんだったよ」
ナダレ「そんな、私の為にわざわざ…ポッ」
ユーリ「姉さん違います!」

キト「まずは中部ブロック大会での感想等、でいきましょうか」
スルガ「一回戦がメディカルってのは本当に運がなかったぜ…機体の相性は最悪だったしな」
カキョウ「スルガの旦那、相性を語るとは旦那らしくもないよ…粋じゃないねぇ。喧嘩は意地と気合よ!」
キト「ですが確かに相性はこちらに有利でしたよ。あの時点でオーバーヘッドを完成させていたら勝負は分かりませんでしたが」
スルガ「何、相性だなんだといっても最後は実力よ。キト先生の強さは本物だったぜ…!」
キト「それならばマエダさんですよ。中部大会での強さを見たときは誰もが優勝候補だ、と思ったに違いありません」
カキョウ「わぁっはっはっはっ!そりゃ有難いねぇ!」
エチゴ「そうだ(ガツガツ)準決勝では戦っている(ムシャムシャ)俺さえも(ガツガツ)何が起きたか分からなかった(ガツガツ)(ムシャムシャ)」
カキョウ「粋な食いっぷりだとは言ったが… 粋じゃないねぇ……」

サキ「私も一回戦は未練があるなあ〜…」
シュウヤ「俺に負けたからだぎゃ?」
サキ「それもそうだけど…一回戦の時は丁度ニュートリノ粒子の制御に問題が出ていて…スーパーカミオカンデも、ライチョウも不調だったから」
シュウヤ「それでヒートナタ主体の格闘戦を挑んできたわけだに」
サキ「そう。あんまり悔しかったものだから、叫んじゃった…今でも恥ずかしいわ…///」
シュウヤ「あれにはびっくりしたがや…まさか音響兵器?って思うほどすごかったぎゃ」
サキ「そういえば結局、あの時負けた借りを返してなかったわよね…!シュウヤ覚悟っ!」バキッ
シュウヤ「うげっ!顔は可愛いくせに凶暴だがや…」
サキ「何か言った…?」
シュウヤ「何も言ってないぎゃ!やめてほしいぎゃあ〜!!」

ナダレ「そう…マエダさんの強さは本物ですわ!殿方は強く逞しくなくてはいけませんわ」
ナダレ「私は、私を負かした殿方と結婚すると誓っていたのです…ということでマエダさん…!」
ユーリ「姉さん、ちょっと待ってください。アルプスはカブキだけじゃなく、チャオズ、トンコツ、ウドン、ヒノクニ、そしてシーガイアにも負けてますよね…?」
ユーリ「だからここは勢いあまって結婚するだなどど言わずにですね…」
ナダレ「ユーリは少し黙っていて!チャオズのサン君は可愛いくて好きですけれど…それに後ろの4人にはミカンとネーブルと組んだせいで負けたんですわ!」
サキ「そうですよ!あの2人…今度また会ったら許しません!」
ナダレ「そういうわけですわ、ユーリ。私はマエダさんと添い遂げます」
ユーリ「ああ、姉さん… ガンダムファイトまではまともだったのに…」
カキョウ「気持ちは有難いが…こっちの意見ってのも聞いてほしいねぇ…」

キト「では次にいきましょうか。中四国などと比べて、中部のファイターはどうも仲が悪そう と大会期間中言われましたが…」
キト「実際のところはどうなのか、という話ですね」
ナダレ「それは間違いですわ!」
シュウヤ「もうナダレさんの言うことは目に見えてるがや…」
サキ「確かに中部のファイター同士でどうこう、って話もあまり聞きませんでしたね」
スルガ「そうだな…。俺も期間中はマブイやベニバナの坊主とは一緒になったが…」
カキョウ「俺は傾き者だからねぇ。どうも誰かとべったりってのは性に合わないもんでね」
サキ「カキョウさんはマブイ君相手に修行を見てあげた、って話は聞きましたけど」
シュウヤ「だから決勝トーナメントでマブイが熱くなってたんだに。納得だがや」
スルガ「マエダよ…。美人のナダレに言い寄られても折れず、マブイと二人っきりで仲良く修行か…」
スルガ「俺もマブイのやつとは話したが、どうやら女の匂いも無いしな…まさかお前ら……」
キト「マエダさん…」
サキ「不潔…」
シュウヤ「傾き者ってのはそういう意味だったんだぎゃ…」
カキョウ「なんだお前ら!そんなことあるわけないだろう!粋じゃないねぇ!」
ナダレ「マエダさん…どういうことかしら。説明してくださる…?」
カキョウ「ナダレさんまで!」

キト「では中部の仲の話ですが、マエダさんはそっちの傾き者…ということでいいですね」
カキョウ「キト先生まで悪乗りするたぁ…」
キト「冗談ですよ。決勝で負けた分です」

エチゴ「ふぅ…」
キト「エチゴさん…ようやく満たされたようですね。食べすぎは胃腸に負担がかかりますよ?」
エチゴ「昔の癖が抜けなくてな…あの頃はいつまともに食べられるか分からなかったものだ」
エチゴ「それにレーションとは違って料理というものは美味い!食欲をもてあますのも当然だろう」
シュウヤ「おかずもすごい勢いで食べてたけども…米ばかりかき込んでたがや」
エチゴ「ああ。米はいいぞ…特に魚沼のコシヒカリはな、こう、もちもちとしていながらも…」
エチゴ「…米の輝きは玉の如し…そして田は国の宝なんだ!そもそも米というのは、日本には縄文時代中期に中国から琉球、九州へと伝わり…」
大佐「…エチゴ。君は全く度し難いな」

キト「今度はお米について止まらなくなってしまったエチゴさんに代わりまして、引き続き私が進行役を務めますね」
スルガ「すまねぇな…。」
サキ「エチゴさん、お米のこととなると平気で3日くらいは話し続けそうよね…」
ナダレ「…ところで。シュウヤ君はサキちゃんに気があるように見えるけど…本当のところはどうなの?」
シュウヤ「…男好きのマエダさんに惚れてる人に言われたくないがや…」
カキョウ「違うって言ってるだろうが!」
シュウヤ「冗談だがや…同じ派手好きと言っても趣味は結構違うみたいだがや。マエダさんは傾きすぎだぎゃ」
カキョウ「…粋じゃないねぇ……」
シュウヤ「意外とマエダさんはいじられるのが苦手そうだから、ここらでやめておくがやwww」
サキ「あんたは調子に乗りすぎなのよ!」バキッ
ナダレ「マエダさんを悪く言わないでくれる?」
シュウヤ「痛っ!相変わらずサキはきついぎゃ…ナダレさんも目が本気だがや…」
スルガ「中部の女性陣は…恐ろしい限りだな…」

ナダレ「サキちゃんはシュウヤ君のこと、どう思ってるの?」
サキ「どうって…なんとも思ってないですよ」
シュウヤ「がーん!サキはやっぱりひどいぎゃ…」
サキ「私は3枚目な奴より、キト先生みたいな落ち着いた格好よさを持ってる人が好みかな…///」
キト「はは、サキさんのような美しい方にそう言っていただけるのは光栄ですね」
ナダレ(キト先生…温泉の時に聞いた話だとミナミちゃんも気になるみたいだし…絶対モテるのに、鈍感ですわ…)

カキョウ「シュウヤも中々の男前だと思うけどねぇ…ただ性格が3枚目だねぇ」
スルガ「シュウヤ、そう気を落とすんじゃねえぜ。男前っぷりじゃ負けてねえ…ただキト先生っていう壁は黒部ダムより高いがな…」
シュウヤ「マエダさん、スルガの親分…あんまりフォローになってないがや…」

キト「なんだかんだで中部のみんなも仲がいいみたいですね…正直ホッとしてます」
キト「では次で最後ですね。第一回ガンダムファイトに参加したことに対して率直な感想を聞きましょうか」
キト「まずは私から。実はガンダムファイト(以下GF)に出たのは、端的に言えば賞金目当てでした」
カキョウ「先生の口から出るとは思ってなかった言葉だねえ」
サキ「そうだったんですか…意外ですね」

キト「私は県間戦争の頃から医師として戦争で傷を負った方々を治療してきたのですが…」
カキョウ「天才医師がいるってのは石川でもよく聞いたねぇ…刺客が何人も差し向けられたそうだが、全て倒されたとか」
キト「ええ。人体の急所は誰よりも心得ていますからね…医師が命を奪う、というのは許されない行為ですが…私を待つ患者の方々を思えば仕方ありませんでした」
キト「戦後も絶えることの無い医師の需要に、小さな診療所のみでは追いつかなくなってしまい…診療所増築の資金を得る為に大会に出たのです」
キト「優勝はなりませんでしたが…中部大会やエキシビジョンでもいくらか活躍できたおかげで、私の元に全国から募金があつまりまして。なんと各都道府県庁までもが募金して下さりました」
キト「GFの皆さんも募金して下さりましたね。感謝しています…テンホウイン家を初め、アカギさん、スルガさん、イサムさん、テツさんなんかはかなりの大口で寄付してくださいました」

スルガ「いいってことよ!患者の人々を助けて欲しくてな…!」
ナダレ「テンホウイン家として当然のことをしたまでですわ」
シュウヤ「意外とGFの中にはお金持ちの人もいるもんだに…」
キト「予想以上に寄付金が集まってしまいましたので、増築ではなく改築させていただきました。立派な病院が立ちましたよ。」
サキ「ということは、看護婦の方やお医者さんを雇うことにしたんですか?」
キト「いえ。診療所の時と人員は変わってませんよ。医師がちょっと不足していますが、何とかやりくりできています」
キト以外全員(診療所のスタッフといい、先生といい…人間じゃないだろう…)

キト「少し話が長くなってしまいましたね。優勝こそ出来ませんでしたが、素晴らしいGFの方々とも出会えましたし、目標も達することが出来た」
キト「色々ありましたが…このGFに出場して本当によかった。一生の思い出になるでしょう。ここに集まってくださった皆さんにも、感謝申し上げます」
パチパチパチ…
シュウヤ「さすがキト先生、立派だぎゃ…俺の出場理由なんかとは天と地の差だがや…」
サキ「キト先生、さすがだわ…」
カキョウ「なかなか粋な男だねぇ、先生もよ!」
イブキ「やっぱりキト先生も…かっこいいわぁ…」
スルガ「やるねぇ、それでこそ男ってモンよ…!」

シュウヤ「じゃあ次は俺が話すとするがや」
サキ「先生の立派な話の後じゃ霞むこと請け合いね」
シュウヤ「それは確かだけども…ひどいぎゃ…」

シュウヤ「俺が出場したのは『目立つこと』ただそのためだぎゃ!」
シュウヤ「GFで優勝すれば全国の人々が俺を知ることになるぎゃ!もちろん機体が金色なのも目立つためだがや!」
ナダレ「ふふっ…すごいわね」
サキ「呆れるわ…」
カキョウ「だが強豪ひしめくであろうネオ愛知で勝ち抜いた実力は本物だ…目立ちたい一心でそこまでするとは…粋じゃねえか」

シュウヤ「中部ブロック大会なんて最初は目じゃないと思ってたぎゃ…でも一回戦から全力で戦って、それでも苦戦したがや…」
サキ「悔しいけどシャチホコは強かったわ…私も一回戦で負けるとは思ってなかった」
シュウヤ「ヒグラシに何とか勝って二回戦に出たけども、メディカルの強さも半端じゃなかったぎゃ」
キト「『目立ちたいからこの試合は負けたくないんだぎゃ!!!』と最初から意気込んでましたよね…私もシャチホコの凄まじい物量には驚きました」

シュウヤ「二回戦で負けてしまうだて、思ってもみんかったがや…」
シュウヤ「しばらくエキシビジョンでもお呼ばれしないもんで、皆俺のこと忘れてるんじゃないかと、でら悲しかったがや…」
スルガ「俺もハンディ戦で呼ばれるまでほとんど声がかからなかったからなァ…その気持ち分かるぜ…」
シュウヤ「でも愛知のサポーターの皆が頑張ってくれたおかげで、六日目にはようやく呼ばれたぎゃ!目立ちたい一心で俺も頑張ったがや!」
ナダレ「…頑張りすぎて仲間のシャクシャインガンダムまで攻撃していらしたわ」
シュウヤ「そ、それは気のせいだて!」

シュウヤ「まあ、ジョウさんに仕込まれたりと色々あったけども…」
シュウヤ「目立ちまくったおかげで初のタレントファイターにもなれたがや!今や俺の人気はとどまるところを知らんがや!!」
シュウヤ「好き放題してきたけども…みんなも、こんな俺とよくしてくれてありがとう。それにサキとも出会えたし、GFに参加して本当によかったと思ってるがや!」
サキ「何恥ずかしいセリフ吐いてんのよ、バカ…////」
ナダレ(実はサキちゃん、シュウヤのことまんざらでもないんじゃないかしら…)

サキ「なんだかんだでGFのみんな、凄いわよね…。」
サキ「私なんてネオ岐阜の選考会で選抜されたってだけだし…」
ナダレ「あら。サキちゃんだってれっきとした県代表のGFでしょう?」
ナダレ「それに人気があるじゃない?七日目の試合じゃすごい声援だったわよ」
サキ「…それはナダレさんも一緒じゃないですか」
ナダレ「ん〜、サキちゃん。自分が人気者だってことを認めたわねw」
サキ「ナダレさんがそう言うように仕向けたんでしょ!」
シュウヤ「人気なら俺も負けんぎゃ!目立ちっぷりだけなら俺が一番だぎゃ!」
サキ「シュウヤは黙ってて!」バキッ

スルガ「こりゃ、間違いなく尻に敷かれるな…」
サキ「スルガさん!何言ってるんですか!」
キト「ふふっ。青春ですね…」
サキ「先生まで!」

サキ「…私はGFであるってこと以外は普通の女の子だけど…。」
サキ「でも、GFのみんなと出会えて。試合も大変だったけど…でもすごく熱かった。」
サキ「こんな貴重な経験が出来る女の子なんて…日本中探しても6人しかいないんだもん。幸せだよね…」
シュウヤ「ん?俺と出会えて幸せってことだに!こりゃあでら嬉しいことだわ!!」
サキ「それもあるわけだけど…でもそうじゃなくて…ああ面倒!もういいわ。とりあえず黙ってなさい!」バキッ

カキョウ「ふっ…あの二人、なんだかんだでお似合いだと思うけどねぇ」
ナダレ「マエダさん。私たちもお似合い…」
ユーリ「姉さん!!」
カキョウ「美人に言い寄られるのは当然嬉しいが、こりゃ困ったねぇ…」


カキョウ「みんな立派なもんだねぇ…」
カキョウ「俺は派手な喧嘩が出来るんじゃないかと思ってGFに参加したまでだしねぇ」
カキョウ「中部大会でも粋な奴らばかりだった…」
カキョウ「全国リーグ戦、決勝トーナメント。今までにないくらい派手な喧嘩だった…」
カキョウ「マコト…イザナミ…キョウシロウ。そしてマブイ…どいつもこいつも外連味溢れる粋な奴だったねぇ」
カキョウ「カムイ…アンタとも一度大喧嘩してみたかったもんだ…」
カツカツ
カキョウ「…聞いてたのかい、スルガよ…」
スルガ「どうも独り言が聞こえちまういい耳してるみてえだな、俺はよ…ハハハ!」
スルガ「…今の独り言を踏まえてもう一度聞くが、本当にそっちの気はねぇんだよな?」
カキョウ「あたりまえだよ、親分さん。粋な男と派手な喧嘩をするのは好きだが、そっちの意味で、じゃないねぇ」
スルガ「ハハハ!ほっとしたぜ!正直ナダレのお嬢ちゃんのこと、どうなんだい…?」
カキョウ「俺は天下一の傾奇者よ!まだまだ傾き足りないからねぇ…この男伊達、一箇所に留まるのはまだ早いってことよ」

カキョウ「そういや旦那はどうしてGFに出たんだい?」
スルガ「そりゃネオ静岡の玉露を初めとする名産の名を上げるためさ」
スルガ「GFのみんなにもお茶を配って回ったしな、優勝できないまでも、目標は達成できたみたいだけどよ」
カキョウ「故郷の為に自らの身を捧げるってわけかい…俺にはできないねぇ、そんなことは」
スルガ「そう言いつつも決勝トーナメントまで勝ち抜いたわけだ、十分ネオ石川の為になってるだろうよ」
カキョウ「それもそうだねぇ…わぁっはっはっはっ!この傾奇者が加賀にねぇ!笑っちまうね!!」
スルガ「まぁ、ネオ石川の英雄であることには変わりねぇんだ…天下一の傾奇者さんよ」
カキョウ「英雄ねぇ…せっかくだが俺には傾奇者のほうが似合いだと思うねぇ」
スルガ「違いねえ!ハハハ!!」
カキョウ「そうだろうよ!わぁっはっはっはっはっ!!」


ナダレ「マエダさんの笑い声… どこへ行ったのかと思ったらあんなところに!」
ユーリ「姉さんがしつこく迫るからですよ…」

シュウヤ「あの二人の参戦理由は聞かなくてもわかるぎゃ…」
キト「ですね…。スルガさんはお茶」
サキ「そしてカキョウさんは喧嘩、って言うに決まってるわね…」

サキ「あの二人はこれでいいわ。今頃盛り上がってるでしょうから放っておきましょ。ナダレさんは何でGFに?」
ナダレ「…テンホウイン家は文武両道。ネオ長野に私より強い殿方がいなかったからですわ」
シュウヤ(ネオ長野に限らず、ナダレさんより強い男なんて…きっと世の中に数えるほどしかいないぎゃ…)
サキ「古今東西から強豪が集まってくるGFで、結婚相手を決めるつもりだった…なんて話も聞きましたけど」
ナダレ「そんな噂が流れていたんですの?困りましたわ…」
サキ「えっ、違うんですか…?」
ナダレ「それでは強い殿方なら誰でもいい、と言っているようなものではありませんか…」
ナダレ「私よりも強く、逞しく、男前でいて…そんな殿方が理想なのですわ」
ナダレ「けれど、ベニバナ君みたいな可愛い男の子も好きですわ…///」
シュウヤ・キト(…噂はほとんど正しかった、ってことじゃないか)

キト「皆さんの感想も出揃いましたし、名残惜しいですが反省会はお開きということに…」
サキ「エチゴさんには聞かなくてもいいのかしら…?」
キト「聞きたいのも山々ですが、かれこれ3時間ほどに渡って、ユーリさんにお米の素晴らしさを説いてますからね…」
シュウヤ「ユーリさんがナダレさんを止めるとき以外会話に入ってこなかったのは…」
シュウヤ「気を利かせたからじゃないがや。エチゴさんのせいだぎゃ…。」
シュウヤ「全部見とったわ…。最初は猛烈な勢いでご飯を食べさせられて、次はお米についてだがや…」
シュウヤ「あんなことされたら、俺ならご飯食えなくなっちまうでよ…」
サキ「……。」
キト「……。」
ナダレ「……。」

ドタドタドタ…バタン!
サキ「何事!?」
スノッチ「俺じゃ…無理……」
キト「スノッチさん。何とか間に合ったようですね…そろそろお開きですが…」
スノッチ「オウ、シット…!何てことだ!もうショータイムも閉幕か…」
キト「…顔色がすぐれないようですが大丈夫ですか?」
スノッチ「私は二日間も…コミックの製作作業に追われていたんだ…徹夜でね」
スノッチ「ミックのやつ『今度は二徹くらいで済みそうだネ!』だの『子供たちを頼んだヨ!』だの…好き放題言ってくれる…」
スノッチ「やっと逃げてこられたと思ったら…ショーもお終い…。もう…俺じゃ……無理…」バタッ
サキ「きゃっ!スノッチさん倒れちゃったわよ!先生!」
キト「話から察するに極度の疲労でしょうね…寝かせてあげるとしますか」


スルガ「なんだって!それからどうなったんだ!?」
カキョウ「それが聞いてくれよ旦那、あいつったら…」
スルガ「ワハハ!!それは滑稽だなあ!するってぇとおめぇさんは…」
カキョウ「もちろんご想像の通りよ!わあっはっはっはっはっは!!!」
スルガ「そりゃねえぜ!!ハハハハハ!!!」

キト「あちらは何であんなに盛り上がってるんでしょうかね」v サキ「…さあ」
シュウヤ(お酒の入った2人が盛り上がる話なんて、どうせくだらないことに決まってるがや…)


キト「いやあ、中々楽しい反省会でしたね」
サキ(キト先生って天然なのかしら…)「私は色々と疲れました…面白かったけど」
エチゴ「美味しいものはたくさん食べられたし、皆の話も聞けたし素晴らしい会だったな!
」 シュウヤ(エチゴさんはあんなことしながらも本当にちゃんと話を聞いていたんかや…?)
カキョウ「そうだねぇ。食い物も酒も美味いし、中々面白い話も聞けたわ!だろうスルガの旦那!」
スルガ「おうよ!おめぇさんの武勇伝も俺のに負けず劣らず面白かったぜ…!」
シュウヤ(結局あの後もこの2人はどんどんお酒で出来上がっちゃって、勝手に盛り上がってたがや…)

サキ「意外とシュウヤ、あんたがまともだってことに気付いてきたわ…」
シュウヤ「嬉しいこと言ってくれるがや…でも正直なところ、周りがおかしかっただけだがや…」

ナダレ「結局マエダさんったら結婚を認めてくれませんでしたわ」
ユーリ「部外者の私がついてきてしまったのが失敗でした…マエダさんはきっと私がいなくとも断っただろうし…」
スノッチ「ユーリ、君も散々な目にあったみたいだな…私もミックのおかげでロクな目にあっていないよ」
ナダレ「マエダさんがダメなら、次はベニバナくんにでも…」
ユーリ「姉さん!」
ナダレ「ふふっ、ほんの冗談ですわ…殿方は逞しくなくてはね」
ユーリ「冗談に聞こえません…」
ナダレ「そうですわ…ならばベニバナ君を一人前の殿方に鍛え上げればよいのですわ…なぜ今まで気付かなかったのかしら」
ユーリ「もうやめてください…」
スノッチ「ユーリ、君の苦労も絶えないようだね…同情するよ…」

おしまい。
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