本スレのSS・9スレ目その1

カムイ(シャクシャイン)「………!(ダッ)」
マサジロウ(ダテ)「待てい、カムイ!どこに向かう気じゃ!」
カムイ「……あの男を…追います……」
マサジロウ「馬鹿者が!今の貴様ではあの男に勝てたとしても、その上に居る者に敵わぬとわからぬのか!」
カムイ「…!」
マサジロウ「良いか、カムイ…。もはや猶予はない…なんとしても明鏡止水を…。…!…ゲフッ、ゴフッ…!」
カムイ「先生…!」
マサジロウ「ぬう…少しばかり老体に無理をさせすぎたか…。…ワシももう長くはない…、この体がまともに動くうちに…」

ガシッ

マサジロウ「若き者に…未来を託す…!」
カムイ「……はい…!」



〜修行場〜
カムイ(シャクシャイン)「ぐうッ…!」
ベニバナ(チェリー)「カ…カムイさん!?大丈夫ですか!?」
ケヤキ(ビャッコ)「い、今のモロに入ったぞ!」
カムイ「…問題ない…、続けてくれ…!」
ベニバナ「これ以上は駄目です!次の試合までに死んでしまいますよ!」

ケヤキ「…リュウタニ先生!無礼を承知で申し上げます!」
マサジロウ「何かね、若き虎よ…」
ケヤキ「この修行…あまりにも無理が過ぎます!これではまるで…!」
マサジロウ「まるでワシが初戦敗退のウサを晴らしているように見える…かのう?」
ケヤキ「…! ……その通り…です…」
マサジロウ「…だ、そうじゃ。カムイよ…そろそろこの辺でやめておこうか?」
カムイ「…いえ…、…俺はまだ…やれます…」
ベニバナ「カムイさんッ!」

アオバ(伊賀式シノビ)「…破ッ!」 シュンッ!

ケヤキ「手裏剣!?あ…危ない、カムイッ!!」
カムイ「……明鏡止水…、なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心…」
カムイ「………凍った湖に…波は…無い………!」

パシッ!

カムイ「……おぼろげだが…見えた…!」

ベニバナ「な…」
ケヤキ「う、嘘だろ…」
マサジロウ「フフフ…、…ワシが二十五年かかって会得した境地を易々と…末恐ろしいほどの才じゃな…」





テツ「東の親分さんよ…」
スルガ「何か?」
テツ「いやな、お前さんほどの大親分なら何か裏から奴らの情報をつかんでいるんじゃ、とな…」
スルガ「その口ぶりだと西の、おめぇんとこも何も掴んじゃいねえ様だな」
テツ(琵琶湖の奴といい…俺らの網にもかからんとは、いったい奴らは何モンなんだ?)

ドウマン「東西の首魁が揃い踏みとは流石に壮観よな」
スルガ「…む」
テツ「何用じゃ! ほう、わりゃあ…山口の」
レン「や、ま、ワタシもいるんだけどさ、聞きたい事があったんだけど――」
テツ「やれやれ。聞いとったんか」
スルガ「悪いなぁお嬢、まだこっちも把握はできておらん」
テツ「じゃが、今一門のもんに探らせとる。なに、好き勝手はさせんさ」
ドウマン「ふむ、そなた等が動いておれば、そうそうは彼奴等も表立っては動けまい」
レン「んー、まあ、なんだ。頼むよ」
ドウマン「ほ、珍しく神妙よな」
レン「寝覚め悪ぃからさ、こーゆーの」
スルガ「似合わぬ事を言うな。ま、任せときな。 非道外道相手には、敵も味方もあるめぇよ」





エチゴ「大佐・・・」
大佐「ああ・・・ついに恐れていたことが・・・」
エチゴ「しかしこれで終わったわけじゃない」
大佐「そうだ。おまえも油断はするなよ」
エチゴ「わかってる・・・」


アオバ「・・・始まったか・・・」
ドンッ
アオバ「なにやつ!?」
ゴロゴロ・・・
アオバ「なんだ、米俵か・・・とでも言うと思ったか阿呆が!」
ザシュッ・・・パラパラ・・・
アオバ「米・・・だと・・・」
エチゴ「なかなかいい感覚をしているな」
アオバ「き・・・きさま!いつのまに!?」
エチゴ「まあそんなことはどうでもいい・・・単刀直入に聞くが、お前さんはどこまで知っている?」
アオバ「・・・・・・」
エチゴ「だんまりか・・・その反応は正解だ。さすがは忍だな」
アオバ「誉め言葉として受け取っておく」
エチゴ「本題に戻るが、俺に与えられたミッションを遂行するにはお前さんの力が必要なんだ。力を貸してくれないか?」
アオバ「断る。我らは他の者と協力なんかしない」
エチゴ「妹さんのタメになると言ってもか?」
アオバ「!?・・・どういうことだ?」
エチゴ「このミッションがこの国の命運を握っている。・・・今はこれだけしか言えない。気が向いたら連絡をくれ。電話の使い方くらいわかるだろ?」
アオバ「バカにするな」
エチゴ「ふっ・・・いい返事を待っている。じゃあな」

アオバ「・・・・・・クレハ」



アオバ(伊賀式シノビ)「む…」
ゴロッ

アオバ「米俵…エチゴ・アイカワか…」
エチゴ(コシヒカリ)「空腹をもてあます」
アオバ「……握り飯だ。食え」
エチゴ「ありがたく頂戴する」

〜間〜

エチゴ「さて、本題に移ろう…。例の件だが、我々を信用して貰えるだろうか?」
アオバ「…拙者は忍…容易く他者を信じてはならぬ身だが、拙者だけでは圧倒的に力不足なのも事実…」
エチゴ「残念だが…此方側も我々だけでは力不足という状況だ」
アオバ「ならば、拙者の命を掛け金に…お主らを信じさせていただくことにする」
エチゴ「…いいセンスだ」

エチゴ「では、早速次のファイターのスカウトに向かおう」
アオバ「次?まだ宛があると?」
エチゴ「ネオ青森のヒバ・セイカンだ」
アオバ「ネブタガンダムの…。大丈夫なのか?彼ではいささか戦力として成り立たないのでは…」
エチゴ「いや、奴の本領は遠距離からの精密狙撃だ。一対一では弱く見えるとも、戦場では恐ろしいほどの力を発揮する」
エチゴ「かく言う県間戦争時代もネオ新潟の旗艦が彼一人に落とされたことがあってな…」
アオバ「………成る程…」
エチゴ「他にも二人、潜入任務には五人の小隊がベストだ」
アオバ「では…」
エチゴ「ああ、人格的に優れて正しく物事を見据えることのできる二人…探しにいくぞ」





クレハ(甲賀式)「勝てるのか……私は……」
ミロク(ニョライ)「勝つしかありません」
クレハ「ミロク……」
ミロク「今の私達は強くならなあかんのです。それに、貴女には敗者復活トーナメントがある」
クレハ「分かってる……だが」
アスカ「あぁもう! うざったい!」
クレハ「うわぁ!?」
アスカ「いじいじ悩んでもしょうがないやろ! クレハさんってうちの姉様をあと一歩まで追い込んだんやよ? そんな人が落ち込むんを見るのはアタシはイヤやね」
ミロク「アスカ!」
クレハ「いや……良いよ、ミロク」
ミロク「クレハ?」
クレハ「そうだな、私が間違ってたよ。私は奴に怯えを感じていたんだ……だが、それもここまでだ」
ミロク「クレハ……」
クレハ「私は勝つ。この怯えも克服し、そして勝ち上がってみせる!!」
アスカ「そう、その調子やって! さっすが姉様のライバル!」
クレハ「おいおい、いつの間に私はライバルになったんだ?」
アスカ「あははっ。そんなん気にしたらあかん。ノリやからさ」
ミロク「もう、アスカったら」

アオバ(伊賀式)「そうだ、クレハよ……そうして一歩ずつ己を高めるのだ。ぶつかる事で深く結び付く友情を大事にして、な」


マコト「…………」
クレハ「どうかしましたか?」
マコト「さっきのメディカルの戦いを見てな……この大会に裏があるかもしれないと思ったら。」
クレハ「確かに……しかし今の私たちでは解決方法が見当たりません。ですからここは修行に励むのが一番だと思います。」
マコト「まあ……確かに今は自分の強化は必要だな。クレハ早く修行を始めよう。」
クレハ「それではまずは滝で精神統一をしましょう。私いい場所を知っているんですよ。」
マコト「そうか、じゃあ早く行こうぜ。俺は明鏡止水の心得を手に入れなけばならないんだから。」


〜クレハの訓練場 滝・池方面〜
マコト「ックッシュ!!し、しんどかったぜ。ううう体が冷える。」
クレハ「すこし火に当たりましょう。しかしマコト殿が私と同じ時間滝に当たるとは思いませんでしたよ。」
マコト「このくらいでへばっちゃ他のみんなに顔向けできないからな。」
クレハ「ところでマコト殿、今の修行で何か見えましたか?」
マコト「……いや、精神は集中できたがな。」
クレハ「そうですか……」

マコト「それにしてもここの紅葉は綺麗だな。」
クレハ「ええそうですね、本当に。……しかしマコト殿にも紅葉を楽しむ考えがあるとは。」
マコト「おい、それは俺が花より団子とでも言いたいのか……おっ?」
クレハ「どうかなされましたか?」
マコト(池に落ちた葉に波紋が広がった。しかし滝の方はただ葉が飲み込まれるだけだ。)
マコト「もしかしたら……クレハ!!もしかしたら俺つかめたかもしれないぞ。」
クレハ「本当ですか!!」
マコト「ああ ありがとうクレハお前のおかげで掴める気がするぜ。」
クレハ「えっとその……ど、とういたしまして。」

アオバ(荒れた波の前では葉は埋もれる……だが鏡のような水面には穏やかな波紋が広がる。彼もここまでたどり着いたか。)
アオバ(しかしクレハよ!!くノ一ならこの程度で動揺してはならんぞ。くノ一の武器は女なんだからな。)



ミロク(ニョライ)「雨……そういえば、あの時も」
イザナミ(イズモ)「――あの時も、雨が降っていた」
ミロク「っ!?」
イザナミ「久方ぶりだな、ミロクよ」
ミロク「……誰かしらね。貴方のこと、私は知らへんのやけど」
イザナミ「知らぬか……知らぬとはな。悲しいな、我はお前の事をずっと覚えていたぞ?」
ミロク「覚えていた?」
イザナミ「ああ、覚えていた。共に手を繋いで逃げただろう? あの燃え盛る紅蓮の中を、崩れ落ちる全てを抜けて」
ミロク「っ!」
イザナミ「思い出したか? 気づいたか?」
ミロク「う、嘘よ……そんな事、ありえへん!」
イザナミ「在り得ぬ事などない。現にこうして我はお前の前に立っている」
ミロク「そんな……それじゃ……!」
イザナミ「ミロクよ、一つ教えてやろう」
ミロク「……?」
イザナミ「この世はドス汚れている。下らぬ争いにより国は乱れ、草木は燃やされ、生き物は無慈悲に殺される」
ミロク「何が言いたいん……?」
イザナミ「我が全てを決めてやろうと言ってるのだ。ガンダムファイトという些事に付き合うのもその理由の一つよ」
ミロク「!!」
イザナミ「昇って来い、ミロク。お前でなくとも楽しめるだろうが、この些事をより楽しくするためにな……」
ミロク「あ……ま、待って! 貴方は……貴方は……!!」
イザナミ「今宵はこれまで。再び見える時を楽しみにしておるぞ……我が妹よ」



ミロク(ニョライ)「クレハ……」
クレハ(甲賀式)「ミロク……わ、私は負けたんだ……完敗だ、私は……っ!?」
ミロク「大丈夫、もうええから……だから今は泣いてもええの」
クレハ「うっ……うぅっ……うああああぁぁぁぁ!」
ミロク(許せへん……彼女を侮辱するなんて。だから私が……私が奴を倒す!)





〜サイキョウ潜在能力編〜

キョウコ(サイキョウ妹)「お…お兄ちゃん!皆…!」

キバ(ナマハゲ)「なんだと!?キトの野郎が!?」
ユーリ(ウェルチ)「ありえません!彼ほどの戦士が夜盗如きに倒されるなんて!」
キョウコ「それが本当なの!今、キトさんは病院にいるって…」
キバ「くっそおおお!行くぜ、ユーリ!サイキョウ!仇討ちだ!!」
ユーリ「待ちなさい、キバ!迂闊に飛び込んでは危険です!ここは情報を集めて…」
キバ「そうしているうちに逃げられちまったらどうするんだ!なぁ、サイキョウ!?」
キョウシロウ(サイキョウ)「………」
キバ「てめえ…腑抜けやがって!!ビビってんのかッ!!」

ブンッ
パシッ…!

キバ「な、何ッ!?俺の拳が…?」
キョウコ「お…お兄ちゃん…?」
キョウシロウ「…落ち着け、俺…。怒るな怒るな怒るな怒るな…。クールになれ…(ブツブツ…)」
ユーリ「…サ、サイキョウ?」
キョウシロウ「………ふぅ…、よし!キトの見舞いだ!!仇討ちはもうちょっと情報が揃ってからだ!!な、キバ?」
キバ「お、おうよ…。そう…だな…」
ユーリ「…そ、そうですね…キョウコさん、病院の場所は?」
キョウコ「あ、はい! (………今のお兄ちゃんの平静の保ち方…確かお父さんの…)」


〜回想〜

キョウイチ(サイキョウ父)「なんだ、キョウシロウ。また喧嘩に負けたのか?」
幼キョウシロウ(サイキョウ)「あいつらがキョウコをいじめてたんだ…。でも俺、勝てなくて…」
幼キョウシロウ「とーちゃん!俺、どうしたらとーちゃんみたいに強くなれるんだよ!教えてくれ!」
キョウイチ「うーん…この最強でクールな父ちゃんみたいになるには百年や二百年では足りないな。ハッハッハ!」
幼キョウシロウ「なんだよ、それ!!」
キョウイチ「ハハハ!そう怒るなよキョウシロウ。父ちゃんみたいに強くはなれないが、少しおまじないを教えてやろう」
キョウイチ「こうやって手を組んでみな…んで、指をちょいと立てて…目を瞑れ…」
キョウイチ「そのまま呼吸を落ち着けて…キョウシロウ、どうだ?不思議な気持ちになってきただろう?」
幼キョウシロウ「…うん…でもとーちゃん、これが強さに何か関係があるの?」
キョウイチ「ハッハッハ、ぶっちゃけ無いな!ただの心を落ち着かせるおまじないだ!」
幼キョウシロウ「とーちゃんのバカ!もういい!俺は俺のやり方で強くなる!」

〜回想終了〜

コウッ…

キョウシロウ「親父…、このおまじない…ホント役に立ってるぜ…」
キョウシロウ「……キト…俺が絶対ェ仇をとってやる…。安らかに眠ってくれ…」
キト(メディカル)「生きてます。勘違いされるようなことを言わないでください」
キョウシロウ「だはははっ!ノリだよ、ノリ!今の俺ってばカッコ良かっただろ?」
キョウコ(サイキョウ妹)「お兄ちゃん!もう何もかも台無しだよ!」


アオバ(伊賀式シノビ)「ば…バカな!何故彼が明鏡止水を…!?」





サキ(ヒグラシ)「そんな・・・キトさんが・・・」
シュウヤ(シャチホコ)「どうしたんだぎゃ?キトなら無事だぎゃ」
サキ「あんた・・・!・・・・いや、まさかあんなゲテモノにキトさんが負けるなんて・・・・」
シュウヤ「見た目で判断したらいかんだぎゃ。んみゃ、俺のシャチホコは見た目どおりの力を持ってるわけだがや!!それはおみゃーが一番分かるだぎゃ」
サキ「くっ・・・確かにそうよ・・・私はあなたに負けたわ。でも今は違う!新しい力もあるし、それに昨日は優勝機体をキトさんと破ったんだから!」
シュウヤ「んみゃ、どえりゃーすごい・・・かもしれへんが、おみゃー一人だったらどうだったんがやね?」
サキ「それとこれとは別に・・・!」
シュウヤ「まあええんだがや、もしおみゃーと俺とで組んだら面白いと思っただけだがや」
サキ「誰があんたみたいな奴と!・・・・・ま、組んであげてもいいけど、そのときはあなたもろともカミオカンデで吹き飛ばしてあげるわ」
シュウヤ「おーこりゃあ怖いぎゃ!と言ってもおみゃーはまっすぐでまじめな奴だぎゃ、信用するに足りるだがや。それに・・・」
サキ「それに・・・?」
シュウヤ「おみゃーのカミオカンデまともに命中したことないって話だぎゃwww別に狙われても俺には当たらんだがやwwwwwww」
サキ「―――――――!!!!!」
シュウヤ「ぎゃwwぎゃwwwぎゃwww痛い目見る前に逃げるだぎゃあああ!!!」

サキ(ひぐらし)「大丈夫だって!大した怪我じゃないらしいから、早く・・・見舞いに行ってあげて!」
ミナミ「・・・はい!」

タッタッタッタッタ・・・・・


サキ「・・・大丈夫よ、大丈夫・・・・(でもなんだろ・・・?この感じ・・・)」
シュウヤ(シャチホコ)「・・・・・・・・・・恋だぎゃ?」
サキ「――――――!!!(ブンッ!」
シュウヤ「オォワッ!あ、危ないだがや!!!」
サキ「そんなこと知らないわよ!!勝手に出てきて訳わかんないこと言ってんじゃないわよ!!」
シュウヤ「別に怒ることないだぎゃ!ちょいとしたジョークってやつで・・・・・」
サキ「・・・・・恋なんて大それたものじゃないわよ・・・ただ・・・」
シュウヤ「ただ・・・?なんだぎゃ・・・?」
サキ「―――って!なんであんたに言わなきゃなんないよの!!」
シュウヤ「自分で言い出してwww理不尽だぎゃwww」
サキ「・・・構わなくていいわ!」

タッタッタッタ・・・・・

シュウヤ「・・・・・・・・なかなか難しいんだぎゃね」


サキ「・・・・・」
???「・・・ここ空いてる?」
サキ「!・・・あなたは・・・ナダレさん?」
ナダレ(アルプス)「どうしたの?なにか考え事して」
サキ「い、いや・・・大したことじゃ・・・」
ナダレ「仕方ないわね、キトさんが謎のMFに敗れてみんな大騒ぎしているから」
サキ「・・・・・はい」
ナダレ「キトさんが心配?」
サキ「心配と言えば心配です・・・・・でもミナミがついていてあげてるから大丈夫です・・・多分」
ナダレ「フフッ。その言い方だとキトさんじゃなくミナミさんを心配しているようね?」
サキ「ミナミは・・・キトさんが・・・でも、ミナミはあんな性格だから、そっち方面の話にめっぽう弱くて・・・だから私」
ナダレ「応援してあげようって?」
サキ「はい・・・。キトさんならミナミに裏表なく接してくれてるし、お似合いだなって・・・」

ナダレ「もしかして・・・あなた・・・恋してるの?」
サキ「ははっ、ナダレさんも同じこと言うんですね」
ナダレ「?」
サキ「正直よく分かりません・・・恋って。それに私、祖国のために頑張らなくっちゃいけないんです。そんな大事なときに」
ナダレ「フフッ。あなたは真面目すぎるのよ。あなたの試合をいつも見てるけど、いつも何かに追われるような印象を受けるわ」
サキ「・・・そうですか」
ナダレ「ま、所詮は光っているだけの色モノ、次は砂人形遊びの変な奴なら仕方ないかな、フフッ」
壁)シュウヤ「色モノって・・・(´・ω・`)」
ナダレ「けれど、キトさんとのタッグマッチなかなか生き生きしていたわ。キトさんだからって訳じゃなく、あなたは仲間とともに戦う方が強くなれる。・・・って当たり前か」
サキ「やっぱり・・・あの感じは・・・」
ナダレ「ミナミさん、キトさん、私とか?と一緒に戦うともっとよく解るかもね。・・・・・あとあの・・・色モノとか?」
サキ「ははっ、最後はよく聞こえませんでしたけど、少しだけ解った気がします」
壁)シュウヤ「おいっwww」
サキ「ナダレさん、機会があったら私とともに戦ってくれませんか?・・・そしてもっと私は強くなりたい」
ナダレ「フフッ、こちらからもお願いね。なんだかんだいってみんなあなたに期待してるしね」
サキ「・・・ありがとうございます!」
ナダレ「こちらこそ」

シュウヤ「誰か俺にタイミングと言うものを教えてほしいだぎゃ・・・(´・ω・`)」


ミナミ「キト・・・さん?」
キト「これはこれはミナミさんではありませんか。まさかわざわざ私のために?」
ミナミ「・・・(コクッ」
キト「安心してください。大した怪我ではありませんから。現に今の私ピンピンしているでしょう?」
ミナミ「よかったです・・・」
キト「ですが・・・大変お恥ずかしい限りです。予期せぬ出来事であったとはいえ、あのような不定の輩に負けてしまうとは・・・ましてあれを奪われて」
ミナミ「確かにあれは大事なものですが・・・私はキトさんが・・・無事で・・・それだけで・・・」
キト「私の身を案じていただいてたのですね。いやいや、光栄です。あなたのような可憐な女性ならなおさら」
ミナミ「・・・えっ?・・・へっ?」
キト「はははっ、私の・・・・・」

―――――ガラガラ!!ドン!!

ドウマン(ダンノウラ)「シラカワ公!未だ現世さまよっておられるか!!」
ハヤト(シーガイア)「大丈夫っすか!?キトさん!!危篤って聞いたんっすけど!!(キトさんが危篤・・・使える!」
トラザメ(ナルト)「キトの旦那がやられたって本当だったんかい!」
モモタロウ「キトさん!!栄養満点きびだんごですよ!!」

キト「いやいや、皆様方、わざわざお越しいただいてありがとうございます!」

ミナミ「・・・・・あの、わたし用事があるのでこれで・・・!」
タッタッタッタッタ・・・
キト「ミナミさん・・・?」





サキ「サンドヒル・・・今の今まで遊びだったってこと・・・!?どこまでもふざけた奴・・・!許せない!」
シュウヤ「あいつ、手加減してあんなに目立つなんて・・・許せんだがや!」
サキ「・・・あんたはいいの。黙ってなさい」
シュウヤ「許せんのは同じだぎゃ!志を共にする仲間がね!」
サキ「あんたみたいな色モノと一緒にしないでよね・・・まったく」
シュウヤ「また色モノって・・・・(´・ω・`)」


キト(メディカル)「そうですか・・・ガイさんが勝ちましたか」
ナダレ(アルプス)「聞くところによると、あのサンドヒル、何かしらの秘密があるみたい」
キト「昨日の例のガンダムも怪しいところです・・・私もおちおち休んでいられませんね」
ミナミ(めんこい)「もしかして行くつもりなのですか・・・?体はまだ・・・」
キト「ははっ、心配いりませんよミナミさん。自分の体は自分がよくわかっています」
ミナミ「でも・・・」
ナダレ「キトさん、彼女の気持ちも汲んであげなさいよ」
キト「いえ、それは大変ありがたいのですが、状況が状況です。一刻も早く・・・!」
ナダレ「まったく、あなたはクールなのか熱いのかよくわからないわね。でも安心していいわ、いいモノがあるから」
ミナミ「いいモノ・・・?」
ナダレ「周りを気にせずに特訓ができるい・い・モ・ノ」

キト「もしかして、あのトレーシングシュミレーターですか!?ですがあれは委員会がまだ未完成だと・・・」
ナダレ「そう、あれはまだ完成していないし、そのメドは立っていないわ・・・。ところでネオ愛知は最先端の機械技術で有名ってみんなも知っているでしょ?」
ミナミ「はい。特にネオトヨタはその最たる企業だと・・・」
キト「そのネオ愛知がどうしたとい・・・まさか!」
ナダレ「ふふっ、そのま・さ・かよ♪」
キト「た、確かにあれだけの技術力があれば独自の開発もできそうですが・・・」
ミナミ「でもそれはネオ愛知の機密なんですよね?部外者である私たちじゃ・・・それになぜナダレさんがそのことを」
ナダレ「ふふふっ、ちょっとね。あのシャチホコ君に感謝しなくちゃね。ちなみにもう話はついているからいつでも使えるわ。それにサキさんに話したら真っ先にとんでいって今頃猛特訓中ね」
キト「これはいいタイミングですね。準備が整い次第自分も行きます。それと・・・ミナミさん」
ミナミ「は、はい!」
キト「どうか私に力を貸していただけませんか?」
ミナミ「もちろんです・・・!」
ナダレ「ふふっ、なんなら私も手伝ってあげるわ」
キト「ありがとうございます」


サキ「すごい・・・!まるで本当に操作しているみたい・・・!この臨場感・・・!戦いのフィールドそのものだわ!」
サンドヒル(AI)―――ブン!
サキ「あっ、と!・・・それにあいつの戦闘データも正確にトレースされてる!」
シュウヤ「ん〜・・・みゃ、予想はしてたんけど、やっぱり相手はサンドヒルに設定するんぎゃあね。おまけにイズモもいるがや(あの時の戦いの想定にしても、選ぶなら強くて目立ってる俺のシャチホコが絶対いいだぎゃ!!)」
サキ「(私はまだまだ弱い!2vs1でもこんなAIごとき簡単に倒せないようじゃ・・・これから先は!)」
シュウヤ「張り切りすぎで難易度高めに設定しすぎだぎゃ。いくらシュミレーションといえど過度の負担は命に関わる危険があるがや・・・万が一のことが・・・」
イズモ(AI)―――ドン!
サキ「くっ・・・!イズモはやっぱり速い!カミオカンデ装備のヒグラシじゃ追いつけない!」
シュウヤ「あ!後ろ危ないだぎゃ!」
サンドヒル(AI)―――ドゴオオオン!
サキ「きゃあああ!」
シュウヤ「あわわわわ、囲まれちまったがや!」
サキ「くっ・・・!こんな簡単に接近を許すなんて!―――しまっ・・・!!」
サンドヒル(AI)―――!!!
イズモ(AI)―――!!!
シュウヤ「危ないがやあああああああああ!!!」

サキ「(あぁ・・・もうダメ・・・みたい・・・私・・・本当に・・・ダメ・・・なの?・・・違う・・・違う!!私はあああ!!!)はあああああ!!!」
シュウヤ「な!?何でカミオカンデを展開するがや!!そんな近距離じゃ無意味だがや!!」
サキ「はあああああ!!(ブン!」
シュウヤ「ダメだがや!ヒートナタも空振ってるだがや!!ああ!それに二体が直列の陣形になって!!」
サンドヒル(AI)―――!!!
イズモ(AI)―――!!!
シュウヤ「もう避けられないがや!!!」
サキ「―――!!!」

ドゴオオオオオオオン!!

シュウヤ「サ、サキ!!!そんな!!!どうなったんだぎゃ!!??あぁ!砂煙で見えな・・・・んな!!!」
サンドヒル(AI)―――ギ、ギギ・・・
シュウヤ「カ、カミオカンデが突き刺さってるがや!!!あっ!!―――後ろ!!」
イズモ(AI)―――!!!
サキ「そこだあああああ!!(ブオンッ!!ドゴオオオ!!」
イズモ(AI)―――ギギ!!
シュウヤ「サンドヒルごとカミオカンデで!!」
サキ「まとめて吹き飛びなさい!!!」
シュウヤ「んみゃああ!!まさかそのまま!!??」
サキ「いっけえええええええ!!!」


 零 距 離 ・ ス ー パ ー カ ミ オ カ ン デ ! ! !


ドオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!



シュウヤ「ぎゃ・・・あんなん、あり得ないだがや・・・」
サキ「・・・はあ、はあ・・・」
シュウヤ「型破りってレベルじゃないだぎゃ!!!」
サキ「(私は・・・まだ!!)」





カイ(Eg250)「クソッ…皆勝手に盛り上がりやがって…無理矢理戦いに巻き込んだくせに置いてけぼりかよ…」
カイ「そりゃあ俺だってあの謎のガンダムのやり口は許せないさ…。でも、あのオンボロと素人の俺に何ができるって言うんだ」
カイ「…今日の試合だって…あんな酷い負け方…」

ドンベエ(ウドン)「はい、かけ一丁お待ち」

カイ「あ…早いな…」
ドンベエ「讃岐うどんは美味い早い安いがモットーだ。…なあ、坊主…男がそう腐っててどうするんだい?」
カイ「でも、俺は戦いの素人で…」
ドンベエ「いいか、坊主。うどんは麺だけじゃあ完成しねえ。ツユがあって、ネギがあって、七味があって…その他諸々合わさって、やっとうどんになるんだ」
ドンベエ「ガンダムファイターも同じだろう?坊主は一人で戦ってるのか…?ンなわけはねぇよなぁ」
ドンベエ「お前を産んでくれた母ちゃん、お前を育ててくれた父ちゃん、その他数え切れないほどの連中が…坊主と一緒に戦ってるんだ」
カイ「おっさん…」
ドンベエ「さ、腐るのはもうやめな!男ならそれ食ってドンと腰を強く構えとけ!…ほらよ、これはオッサンからの選別だ」
カイ「海老天…。………ありがとう…おっさん…」
ドンベエ「なぁに、構いやしねえ。またうちのうどんを食いに来てくんな!」





カイ(Eg250)「俺もお前もこれで本選のほうはこれでお終いか」
リョータ(リョウマ)「そうじゃな、こうやって釣りでもして次の試合が始まるまでまっちょるか」
カイ「釣りねぇ…お前に釣竿借りてやってみたはいいものの、釣れないとイライラしてくるな…」
EG『カイ、釣りのコツはひたすらに油断せず我慢することだ、これはEg250のシステムにも通ずる「待つことの大切さ」を養うための訓練にもなる』
カイ「うるせぇな、人にそういうふうに言われてするのが一番やなんだよ」
リョータ「そうじゃぞ、EGのおんちゃんの言う通りぜよ、油断してないと思ってるときほど人は油断してるもんじゃき、しっかりしいや」
カイ「…ふん、しょうがねぇ、やってやろうじゃねぇか!」
EG『大人の意見は聞かず自分より年下の意見は聞くとは…反抗期もここまでくると素晴らしいな』
カイ「う、うるせぇ!!」





マブイ「クソッ! 強くなれば…」
ガン
マブイ「クソッ! 強くなれば…」
ガン
マブイ「おじぃもおばぁも島の皆も」
ガン
マブイ「守れた! ククル(妹)も!」
ガン
パカラパカラ
マエダ(カブキ)「気ぃすんだかい…」
マブイ「てめぇ…」
マエダ「こうやって会うのは何度目かわからないが相変わらず哀しい目をしてるねぇ…何故そこまで憎しみにこだわる?」
マブイ「うるせぇ…てめえ等大和人にはわからねえさ。てめえと言えど凹るぜ」
マエダ「良いぜマブイ。何度だって相手してやるぜ」
マブイ「クソがぁ!」
ビュン
パシッ
マエダ「やっぱりな…何も成長しちゃいねえ」
ガンッ!
マブイ「アガッ!」
マエダ「憎しみに囚われるなマブイ。人なんて生きるべく生きればいいのさ」
マブイ「チクショォ!」


一方山口県では
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
アマクサ「ど…どうしたのじゃ急に!?」
ドウマン「今、霊の雄叫びが聞こえたような気がしてな…」


墓の前
マブイ(シーサー)「ニーニー、試合に負けちゃったんだ。情けないだろ」
マブイ「島の皆に怒られちまうな…」
マブイ「もっともっと強くならねえと…あいつみたいに」
ドウマン「おるわおるわ…悲しみに嘆く亡者に憑かれる男が」
シーサー「てめえ…どうやってきやがった」
ドウマン「この世に未練あるものがいたらドウマンもそこにいると思え」
シーサー「消えろよ。ここはてめえのくる所じゃねえぞ」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
シーサー「何だてめえ? イカレてんじゃ_」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
シーサー「この野郎、相手n__」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
シーサー「な_」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
シーサー「うるせぇぇ!」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
シーサー「うるせぇぇ!」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!…スッキリしたろうぉ、それで良いのだ」
レン(大分)「いや、何がだよ」


おっちゃん「もう、こんな時間だけど寝ないのか?」
マブイ「うるせぇな…」
おっちゃん「前にも言ったかも知れないが絶対勝とうなんて思わなくていいからな」
マブイ「だから言ったろ。他の奴らと背負っている重みが違うんだよ」
おっちゃん「島の人間は強い。貧乏でも楽しく強く行きていけるぜ」
マブイ「……」
おっちゃん「大和人に復讐とか、そんな事もやめろ。別に浮かばれねぇさ」
マブイ「…るせぇよ…」
おっちゃん「マブイ…?」
マブイ「…うるせぇよ!」
おっちゃん「マブイ…」
マブイ「物心つく前に母さんとおばぁもおじぃも死んだ! 俺が19の時にククルが目の前で死んだ。俺の為だけじゃねぇ、島の為だけじゃねえ…おっちゃんの…父さんの為に戦って何が悪いんだ!」
おっちゃん「マブイ。お前…」
マブイ「くだらねぇ…」
ダッダッダ
おっちゃん「お、おい!」

ドウマン「待てぇぇぃぃぃ!」


マブイ「………。」
マブイ「…おっちゃん、悪ぃ…本当はおっちゃんの言ってることだって分かってるんだ」
マブイ「今回のガンダムファイトに参加して、こんな俺でもわかったことがある」
マブイ「GFの奴らには、熱いやつ、面白い奴、優しい奴…そんな奴らがいっぱい居る」
マブイ「大和人にだって、いい奴がいっぱい居るってのが俺にも分かってきた…。」
マブイ「でも…畜生ッ……!」

カツカツ
マブイ「…誰だ」
スルガ「俺だ、こんな時間にこんな場所でどうした、風邪ひくぞおめぇさん」
マブイ「いらねえ世話焼くんじゃねえよ、この大和人がっ…」
スルガ「この俺にすらそんな態度をとるおめぇさんのこと、俺は嫌いじゃあないぜ」
スルガ「周りの連中がどう思ってるかは知らんがな!ハハハ!!」
マブイ「うっせえよ…」
スルガ「さっきのぼやきは全て聞かせてもらった」
マブイ「!!! …盗み聞きとは趣味が悪いんじゃねぇか」
スルガ「こりゃ悪かったな!でけえ声だったもんでな…ハハハ。まぁ茶でも飲めや」
スルガ「俺も昔はとんだヤンチャでな、おめぇさんを見てると昔を思い出す…俺のほうが数段上だったがな!ハッハッハ」
マブイ「…何が言いたい?」
スルガ「今の俺の様に、おめぇさんにもそのうち分かるようになる日が来るってことよ…!寒ぃから俺は帰るぜ。全国進出GFが風邪引くんじゃねえぞ」
カツカツ…

マブイ「スルガ印の静岡茶…あったけえな…(いい奴らも…居るんだな…)」
マブイの瞳には、うっすらと輝くものがあった…。


マエダ「またあんたか…もう、日も出る時間だぜ」
マブイ「何故俺に付きまとったりした?」
マエダ「なあに、好きなように生きてる俺にはあんたが辛そうに見えたからさ」
マブイ「ほっとけ…」マエダ「本当に其で良いのかい?」
マブイ「……」
マエダ「カムイは明鏡止水を覚えたようだぜ。更にまた差が開いちまったなぁマブイ…」
マブイ「…!」
マエダ「明鏡止水…邪念がなく澄んだ心境。短時間で覚えるとはあの御仁も凄いねぇ」
マブイ「お前は…俺に勝ったお前は其を出来るのか?」
マエダ「生憎と俺はそんな物は使えねぇな」
マブイ「チッ…」
マエダ「だが鏡花水月なら知ってるぜ」
マブイ「鏡花水月…」
マエダ「鏡に映った花や水に映った月のように目に見えていながら手に取る事が出来ないもの。実体がなく、ただ直覚で感知するしかない物事…」
マブイ「其が鏡花水月…か」
マエダ「あんたにはまだやるべき事があるじゃないのかい?」
マブイ「教えやがれ…」
マエダ「最初に言っておくが俺は優しくねえからよ。派手にいかせてもらうぜ!」


修行場
マブイ「オラォ!」
マエダ「良い拳だ…だが」
ガンッ
マブイ「アガッ」
マエダ「まだだな…」
マブイ「クソガァ!」
マエダ「駄目だ」
マブイ「クッ…」
マエダ「憎しみだけで相手を倒そうなんて思うんじゃねぇ。感じるがままに放つんだよ」
マブイ「うるせぇぇ!」
ガン!
パシッ
マエダ「こいつは長くなりそうだ…」


一方
トキサダ(アマクサ)「ぶ…ぶるぁ…」
ドウマン(ダンノウラ)「違ぁう! ぶるぁぁぁぁ!」
トキサダ「ぶるぁ!」
ドウマン「その調子じゃぁ」


修行場
マブイ「ハァハァハァ…」
マエダ「良い根性だ。まだ続けるのかい?」
マブイ「ふざけんな!」
マエダ「そうかい。お前みたいな奴、好きだぜぇ」
マブイ「うぉぉぉ!」
………
……

マエダ「違うな…」
マブイ「ハァハァハァ…」
マエダ「マブイ、何の為に戦っているんだい? あんたの心は全然定まってねぇ」
マブイ「…何の為…」
マエダ「休憩だ…」
マブイ「待てよ! まだ戦える!」
マエダ「少し頭冷やして目的を定めてきな」


一方
ドウマン「全然駄目だ!」
トキサダ「さっき良いと言ったではないか!」
ドウマン「貴様何の為にぶるぁぁぁぁと言っている? 貴様の心は定まっておらぬわ」
トキサダ「わかるか!」


マブイ「何の為…何の為…」

………
……

回想
ククル(妹)「にーにー」
マブイ「ククル。どうしてた?」
ククル「…」
マブイ「またいじめられたのか。よしっ俺がぶっ飛ばしてやる!」
ククル「良いの! 其よりシーサーガンダムに乗る修行しないと」
マブイ「また…か。俺が神々の声が聞こえればな」
ククル「仕方ないよ。神々の声が聞こえるのは女の人だけだし」
マブイ「そっか…」
ククル「うん…」
マブイ「ククル。お前の事を悪く言う奴は俺に言えよ。ぶっ飛ばしてやるからな」
ククル「にーにー」
マブイ「うん?」
ククル「あたしね。いじめられるし、シーサーガンダムの修行も辛いけど辞めたいなんて思わなかったんだよ」
マブイ「何でだよ?」
ククル「其はね…」
………
……

マブイ「ククル…ククル…ククル!」
マブイ「何だよ…」


マエダ「休憩は良いのかい?」
マブイ「最初からいらねぇんだよ」
マエダ「そうかい…じゃあ行くぜ」
マブイ「オラォ!」
マエダ「何も成長してないねぇマブイ」
ガンッ
マブイ「アガッ! クソガァ!」
ガン
マブイ「クソッ!」
マエダ「やれやれ、おらよ!」
バキッ!
マブイ「ぐ…(バタッ)」
マエダ「少々、やりすぎちまったかねぇ」
………

ククル「(にーにー。あたしね。いじめられるし、シーサーガンダムの修行も辛いけど、辞めたいだなんて思わなかっわなかったんだよ)」
マブイ「何…で…」
ククル「(いつもニーニーが側にいて守ってくれようとしたから)」
マブイ「ククル…!」
マエダ「お、アレだけ食らって立ち上がるとは…」
マブイ「(どうして強くならなくちゃいけないんだ? どうして? 島の独立? 大和人に復讐? 父さんや俺の仇? カムイを越えたい?)」

違う

マブイ「俺は自分の大切な物を守りたいんだ…」
マエダ「(急に良い眼になった…)行くぜマブイ!」
マブイ「鏡に映った花や、水に映った月のように、目に見えていながら手に取る事ができないもの…」

マブイ「言葉で言い表す事が出来ない、ただ直覚で感じるしかない物事…」


マブイ「鏡花水月」

マエダ「やっと会得しやがったか…いやこんな短時間に…」
マブイ「(バタッ)」
マエダ「マブイ!」


一方
トキサダ「初めてわかったぞ。憎しみでぶるぁぁぁぁを言っても意味のない事が…」
ドウマン「そうだ! 心の底から発生する想いを声にせい!」
トキサダ「わかっておる! ぶるぁぁぁぁ!」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
トキサダ「ぶるぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!!!! 良いぞ良いぞ! 今、貴様の念が膨れ上がっておるぞ!」
トキサダ「此が…明鏡止水! ぶるぁぁぁぁ!」
ドウマン「良いぞ! トキサダ…ならばこの技をしかと受けとれい!」
ドウマン「食らえぃぃ! 呪! 怨! アツモリフィンガー!!ぶるぁぁぁぁ!」
トキサダ「ならばわしからも受けとれい! 甘! 味! カステラフィンガー! ぶるぁぁぁぁ!」

どーん


マエダ「さて、もう朝か…ゆっくり寝かしてやるが俺はもう行くかねぇ」
マブイ「おぃ…」
マエダ「起きてたのかい…なんだぁ、この大和人に何かようかい?」
マブイ「あ、ありがとう…カキョウ」
マエダ「オイオイ、何だぁ。ずいぶん良い子になったなぁ。驚いたぜ」
マブイ「うるせえ!」
マエダ「ワッハッハ! じゃあな、また会おう」
マブイ「ヘッ…」


一方
ドウマン「良い念であった…」
トキサダ「貴様こそやるな。誉めて使わすぞ…」
ドウマン「どうじゃ、このドウマンの弟子にならんか?」
トキサダ「フッ…それも悪くないじゃろうな」
ドウマン「ならば近くに来るが良いぞ」
トキサダ→テクテクテク
ドウマン「そう、それでよい。もっと近くに_ぐぁ!」
バキッ
トキサダ「何がぶるぁぁぁぁだ! この私に何をやらせる! イメージが台無しじゃ!」
ドウマン「今更何を言う! 魂の共鳴が出来し我等にもはや敵はない! ぶるぁぁぁぁ!」
トキサダ「ふざけるな! ぶるぁぁぁぁ!」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ!」
トキサダ「ぶるぁぁぁぁ!」
ドウマン「ぶるぁぁぁぁ(゜д゜)」
トキサダ「ぶるぁぁぁぁ\(`O´)/」



マブイ「・・・・・・」
マエダ「鏡花水月。だいぶものにしたようだな」
マブイ「まあな。いろいろと見えてきた事がある。俺の生きる意味や戦う理由のその先を」
マエダ「難しい事なんて考えなくていいのさ。人なんて生きるべくして生きればいいのさ」
マブイ「誰もがお前にはなれねえよ」
マエダ「わっはっは! 道理だ。そろそろ開会式だがもう一回、感謝の言葉が聞きたいんだがねえ」
マブイ「誰が言うかよ!」
マエダ「わっはっは! じゃあな、良い目になったぜ、マブイ。いや、良い魂になった。また会おう」

パカラパカラ

マブイ「・・・」

マブイ「ありがとう」


マブイ「鏡に映った花や、水に映った月のように、目に見えていながら手に取る事ができないもの…」
マブイ「沖縄のみんな…俺には支えてくれる人たちがいる」
マブイ「分かっていながら、見えていながら…いつのまにか俺はプレッシャーとしてしか捉えてなかったのかも知れねえ」
マブイ「言葉で言い表す事が出来ない、ただ直覚で感じるしかない物事……か」
マブイ「こういう、暖かい気持ちのことも…そうなのかも知れねえな…」
ククル(そうだよ、にーにー…)
マブイ「ククル…」



スルガ「…若くしてその境地に至るたぁ、恐れ入ったわ」
スルガ「いつかは分かる日がくるとは言ったが、俺がそこに至るまで一体何年かかったことか…まったく末恐ろしいばかりだな!」
マブイ「マエダのお陰さ… あとおっさん、あんたにも世話になったよ。」
マブイ「……おっさん」
スルガ「何だ?」
マブイ「…おっさんがくれたあの茶、うまかったぜ」
スルガ「何を言うかと思えば…当たり前だ!!ハッハッハ!!静岡の茶は世界一よ!」
マブイ「…あんたには2度も施しを受けてるからな。借りはいつか返すぜ!」
スルガ「ちったあお前ぇさんも丸くなったみてえだな!その意気だ、決勝も頑張れよ…!」
マブイ「ああ!言われなくても俺はやる!やってやるぜ!!」

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